生で見たいバンドがある、と先日書いた。
和楽器バンドは、そのバンドのひとつだ。
筝、和太鼓、尺八、三味線という和楽器に、ギター、ベース、ドラムの洋楽器そして詩吟師範であるボーカルから成る他に類がないバンド。
三味線は、蜷川べにさんという津軽三味線奏者です。
津軽三味線は、多くの和楽器の中でも存在感のある楽器だと思う。
津軽三味線は、私にとって身近な存在でした。
少年時代、秋田放送のテレビの電波が地形の関係で届かず、青森放送のテレビを見てたため、津軽民謡の番組を見て育ちました。
民謡好きな母に連れられて、「唄会」と言われる民謡コンサートにも行ってました。
その時にいつも歌手のそばで伴奏していた盲目の尺八・三味線奏者がいました。
私が、横浜で学生生活を送っているころ、その三味線奏者は津軽三味線の第一人者高橋竹山として評判になり、多くの演奏会を開くようになりました。
自伝「津軽三味線ひとり旅」が出版され、さらに新藤兼人監督、林隆三主演の「竹山ひとり旅」が公開されました。
津軽出身の作家長部日出雄が、「津軽じょんから節」「津軽世去れ節」で直木賞を受賞したのもこの時期でした。
「津軽じょんから節」は、津軽三味線を演奏するすることにすべてをかけようとする若者たちの姿を描いていて、小説を読むだけで映画を見ているように自分が興奮しているのを感じた記憶がある。
私はその後、就職して千葉県に住んでいたが演奏会が近くであった。
竹山さんはすでに高齢であり演奏会に行ける機会はもうないかもしれないと思った。
津軽三味線というと、豪放なイメージがあるが、竹山さんの演奏は、繊細で細やかなものである。
津軽のことばでの語りとともに思い出す。
竹山さんは、本来なら民謡の伴奏だった三味線を単独で三味線だけで成立する曲に編曲していた。
そして、津軽をモチーフにした自作の作品も発表していた。
まだ、アナログレコードの時代だったが、私は5枚のLPレコードを持っていた。
1986年、アメリカ公演をしている。
7都市10公演だそうだ。
ニューヨーク・タイムズの賛辞。
His music probes the listener,seeking finding sympathetic resonances like a kind of psychic sonar.He is a master musician. (By Robert Palmer)
「まるで魂の探知器でもあるかのように、聴衆の心の共鳴音を手繰り寄せてしまう。名匠と呼ばずしてなんであろう。」