ときどき、無性に「南部せんべい」が食べたくなる。
草加せんべいの類いなら、妻が無類のせんべい好きなので、いつも各種揃っている。
おかきやソフトせんべいのようなものもある。
私は、秋田県北東部で育った。
せんべいと言えば、南部せんべいだった。ピーナッツの入った甘いのと、胡麻の入った薄い塩味のものの二種類だった。
わたしは、胡麻が好きなのだが、秋田県全体では、どんなせんべいを食べているかはわからない。
秋田県北東部は、歴史的に南部領だった時代もあるので、南部せんべいなのかも知れない。
地元では、「秋田せんべい」という名で売ってたりするが「南部せんべい」そのものである。
南部せんべいは、本来は「白せんべい」と言われるせんべい汁に入れるような味のないもので、ピーナッツや胡麻はバリエーションらしい。
ほかにも、クルミ、カボチャ、リンゴなどいろいろあるらしい。
関東の草加せんべいなどは、米菓であるが、南部せんべいは小麦粉が原料である
。南房総の安房小湊では、「鯛せんべい」が名物で、出かけた時によく買っていた。
これは、南部せんべいよりは、堅くて甘い。
関西の瓦煎餅や焼き八ツ橋に近いかも知れない。
私の住むあたりのスーパーでは、「南部せんべい」を、売ってないところもある。
あっても、せんべいコーナーではなくお菓子コーナーにあったりする。
確かに、せんべいと名はついているけどせんべいではないかも。
私の妻は、お煎餅とお餅が大好きでこれがあれば、ご飯がいらないくらいである。
結婚したころ、妻の食べるせんべいを、「こんな堅くて、しょっぱいものは人が食べるものではない。」と、思ったものだが、30年一緒に暮していると、「これはこれでいいな」と、思うようになっている。
ときどき、妻のコレクションからいただいている。