晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

地名と名字

図書館を歩いていて、借りてしまったうちの一冊である。

常陸国風土記に見る古代 井上辰雄  学生社 1989年発行

二週間でそんなに読めるものではないのに、つい何冊も借りてしまう。

風土記」は、奈良時代に官命によって地方の国衙に提出させた報告書であり、主に漢文で書かれている。

おそらくすべての国衙から提出されたものと思われるが、現在完全な形で残っているのは、「出雲国風土記」のみである。

一部欠損した形で残っているのが、「播磨国風土記」、「肥前国風土記」、「常陸国風土記」、「豊後国風土記」である。

報告を求めているのは、次の五項目である。

1 郡、郷の名には、好字をつけよ

2 銀、銅、彩色、草木、禽獣、魚虫等の色目

3 土地の肥沃

4 山川、原野の名号の所由

5 古老相伝の旧聞、異事

これで不思議なのは、2から5までは現状を報告しなさいということなのに、1は、現にある郡、郷の名をよき字に変えなさいとなっていて、まったく性格の異なる内容になっている。

考えられるのは、この時点でかなりの郡名、郷名について、それまで使われていた字が変えられただろうということである。

それなりにその字を使う理由があったものが、縁起の良い字に変えられたのである。

読み方はそのままであるにしても、元々がどのような字だったが忘れられれば、新しい名前の字が一人歩きしてしまう。

字を変えるだけではなく、地名そのものを全く変えてしまった例が近所にある。

]光ヶ丘や緑ヶ丘である。

歴史も何も感じられない。その土地の歴史はどこへ行ってしまったんだ、と思うばかりである。

こういうことは、地名だけではなく、姓氏や名字にもありそうだ。

思いついたのは、「木梨」という名字。

「亀梨」というのもある。

亀と梨はどう考えても繋がらないので、たぶん「木梨」の木を、縁起の良い「亀」に変えて、「亀梨」で「きなし」と言っていたのが、亀が一人歩きして「かめなし」になったのか、とも考えられる。

木梨というのは、山梨のことかなと思ったので、調べてみた。

木梨は、カリンのことだった。

子どものころ、農家の敷地に梨の木があった。

小ぶりで果実がついたが、なんでも食べる田舎の子どもたちも手を出さなかった。

硬くて、甘さもなくまずかった。 

これが山梨で、日本で今栽培している梨の原種らしい。

でも、ミチノクヤマナシというのもあるらしいので、そちらの可能性もあるかな。

 

 

 

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