柏市役所ロビーに、明治初期の柏市の地図の大きなパネルが展示されている。
数年前から、このパネルは展示されていて私はその存在に気がついていた。
すごいなあ、と思って見ていた。
私が住んでいる光ヶ丘の台地を水源として新柏方面へ流れている川が、かつて子どもたちが小学校に通学していたころ残っていた。
通学路の脇に、ドブ川のように流れていたのだ。
この川は、その後道路の舗装工事の際にコンクリートでフタがされて暗渠となった。
今は、かつては、ここを名戸ケ谷をとおり大津川にそそぐ川が流れていたとは、とてもわからない。
その川が、明治のはじめにはこんなふうに流れていたんだ。
水源になっていた光ヶ丘の森が住宅・団地建設によって無くなることにより、川を流れる水が少なくなり、川がちょろちょろ流れる小さなものになってしまったのだろう。
そのほかにも、まだ自然のままだった頃の川が、柏市の町中にあったことがこの地図を見ているとわかる。
川の水が青色にきれいに彩色されている。
まだ、堤防や護岸などが整備されていない川の様子がよくわかる。
「この地図は、旧陸軍迅速測図(明治10年陸軍省作成。国立国立国会図書館蔵)に基づき、地方史家である藪崎香さんが水戸街道絵図や利根川図誌などを参考にしつつ、当時の柏の地理を再現したものです(寄贈・藪崎香さん)」との説明がある。
この説明書きを見て気がついた。
この地図は、最近私が興味を持っているフランス式彩色地図がもとになっているものだった。
そのまま拡大しただけではなく、彩色しなおしたり、地名などを追加していて印象がとても違ったものになっていた。
この地図を作成し起草した藪崎さんがどのような思いを込めたのかは、わからないが、これはとても大事なものではないかと思う。
この地図は、柏市の一部であるが、元になる迅速測図地図は柏市全体の分があるので市全体をカバーして作成が可能である。
この140年間で、柏がどう変わったのかが、見るだけでわかる。
柏市の地理や歴史を知るために有効であるから、近隣センターや小学校中学校などで活用できるのではないだろうか。
自分が今住んでる所が、明治のはじめにはどんなふうだったのか。