晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

ジャン・シベリウス

クラシック音楽を聴くようになって、最も好きになった作曲家が、シベリウスだった。交響曲第2番がはじめて聴いた曲だと思う。どんなところのひかれたのだろうと考えてみると、やっぱり彼の音楽から感じる空気だと思う。
北国らしい澄んだひんやりした空気を感じていた。シベリウスは、1865年フィンランドに生まれている。
「森と湖の国」というのが、私にとってのフィンランドのイメージだった。
観光情報を調べてみたら、「高い山がなく平らな国土は森と湖で覆われていて自然豊かな国です。」となっているので間違ってなかった。
フィンランドウラル語族に属し、ゲルマン語族である他の北欧諸国とは違っている。
歴史的には、長くスウェーデンとロシアに支配され、ようやく1917年ロシア革命の際に独立した。シベリウス自身は、スウェーデン系のフィンランド人だった。
シベリウスの音楽に北国の空気を感じたと書いたが、それは宮澤賢治の文学に感じるものと通ずるものがあるかもしれない。宮澤賢治は、自身の心象世界中にある理想郷として「イーハトーブ」を考えたが、その世界に感じる空気である。作品には、風土と自然が反映されると思う。
それは、私が秋田という北国で育ったことからくる、単なる思い込みかもしれない。
 
私が、クラシック音楽を聴き始めた頃、シベリウスは日本のクラシック音楽愛好者の中では人気があったと思う。特に、交響曲第2番は人気曲だった。渡辺暁雄というフィンランド人の母を持つ人気指揮者が、現役で活躍していたということもあるかもしれない。

「悲しきワルツ」という曲がある。シベリウスの義兄ヤルネフェルトの戯曲「クオレマ」のために作曲した劇付随音楽である。松戸市の森のホールにヘルシンキ・フィル(もしかするとヘルシンキ放送交響楽団かも?)を聴きに行ったことがある。この曲をアンコールで演奏した。
ゆったりした優雅なワルツである。私には、老夫婦が広いホールで二人きりでゆっくりと踊っている光景が見えた。

「ヴァイオリン協奏曲」シベリウス自身、ヴァイオリニストであったが、断念したらしい。ヴァイオリン協奏曲は一曲だけである。私は好きだが、やや地味かもしれない。あまり、コンサートのプログラムにはないかな。

「カレリア」組曲 「間奏曲」「バラード」「行進曲風に」からなる。音楽を聴いていると、その光景が浮かぶようだが、私は特に第三曲が気に入っている。
カレリアは、ロシアとフィンランドの間にある地方で、今は二つの国に分断されている。

フィンランディア賛歌」交響詩フィンランディア」は帝政ロシアの圧政下の1890年に初演されたが、その最終章の美しい旋律の部分を合唱曲としたこの曲は、スターリンが支配するソヴィエト連邦の侵略に抵抗するための愛国歌となった。
この男声合唱を始めて聴いた時は、その重厚さに歌詞の意味はわからないのに涙が出そうになった。
 
この曲は、堀内敬三氏によって訳詞され、日本でも歌われている。フィンランドは、「フィン人の国」の意味で、「スオミ」はフィン人の自称である。

雲湧く静寂(しじま)の森と 豊かに輝く湖(みず)
野の花 優しく薫る スオミよ 平和の里
野の花 優しく薫る スオミよ 平和の里
幾たび嵐に耐えて 過ぎ越し 栄えある都市
新たな 文化は薫る スオミよ 清(さや)けき国
新たな 文化は薫る スオミよ 清けき国
スオミよ 平和の里

you-tubeを見ていたら、英語翻訳もあった。
 
"Finlandia" by Jean Sibelius 
Text by Lloyd Stone 


This is my song, O God of all the nations, 
a song of peace for lands afar and mine. 
This is my home, the country where my heart is; 
here are my hopes, my dreams, my holy shrine; 
but other hearts in other lands are beating
with hopes and dreams as true and high as mine.
 
My country's skies are bluer than the ocean,
And sunlight beams on clover leaf and pine. 
But other lands have sunlight too, and clover, 
And skies are everywhere as blue as mine.
O hear my song, thou God of all the nations,
A song of peace for their land and for mine.

 

 

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp