晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

どぶろく特区と自家醸造

秋田県北部は、日本一の密造酒地帯であった。」

という文章を読んだ時、仰天した。

書店で立ち読みしていたと思う。

たしかに、子どもの頃から、まわりでどぶろくを作っているのは知っていた。我が家でも、つくることがあった。ポコポコ発酵していた。

それが、どうもやってはいけないことらしいことも、知っていた。

でも、自分が育った所が日本で最もどぶろくを作っていたとは思わなかった。

毎年?、税務署がどぶろくの摘発のために村をまわっていた。

「酒調べ」(さかしらべ)と、言っていた。

摘発は、川の下流の村から順にやっていくので、下流の村から上流の村に連絡が入るのだ。

「今、うちの村に酒調べが来てるぞ。」

そしたら、税務署員が家に入らないように留守にしたり、現物を何処かに隠してしまう。

そういう話は、よく聞いた。

たぶん、税務署も情報があっての摘発ではなく、交通取締のような年中行事だったと思う。

あんまり、どぶろくを見つけられて捕まった、というのは聞いたことがない。

 ウィキペディアを調べたら、「密造酒」の項目に次のように書かれている。

 

 日本では明治時代に政府が、税収の3割にのぼる酒税の徴収を行うため、酒税法によって清酒の生産を厳しく管理した。しかし農村部(特に秋田県北部などの東北地方)では日常的にこれらどぶろくが作られ、家庭内で消費されていた。

 

 この頃の秋田県北部は、ほとんどが米作農業である。農家は、米の収穫時の年一回しか収入がない。毎月の収入はないのに、高価な清酒を買えというのは無理がある。米はあるから、どぶろくなら家でつくれる。麹だって売っていて買える。

昔からやってることだし、自分の米でどぶろくつくって、自分で飲んで何が悪いのだ。というのが言い分だろう。国は、税収を確保するために酒税法を後から作っただけのことである。

 

私の記憶だと、どぶろく一升は米一升だった。物々交換していた。

今の価格にすると、どんな感じなんだろう。

米一升は、金額にしていくらか計算してみる。

米一合は、計ってみたら160グラムだった。ということは、米一升は1600グラム、つまり1.6キログラムである。

米10キログラムを4000円とすると、米1キログラムは400円である。

そうすると、米一升1.6キログラムは、640円ということになり、

どぶろく一升は、640円である。

これだと、どぶろくもまあまあの値段である。

これは、あくまでも今の価格で考えた場合で、当時の米や清酒の価格で考えたらまた変わってくるだろう。

 

2002年の行政構造改革によって、地域振興の観点から行政構造特別区域が設けられ、どぶろく製造が認められるようになった。いわゆる「どぶろく特区」である。全国にかなりの数の特区ができた。私の郷里秋田県を例にすると次のとおりである。

しかし、製造免許取得要件は「農林漁業体験民宿業その他酒類を自己の営業場において飲用に供する業を併せ営む農業者」となっており、一般の人々が自家製造できるというものではない。

 1980年代におこなわれた「どぶろく裁判」では、「自分の造った酒を自由に飲む権利」が憲法で保障された国民の権利であることを主張したが、最高裁判決は、「製造理由の如何を問わず、自家生産の禁止は、税収確保の見地より行政の裁量内にある」というものだった。

どぶろく特区」もこの延長上にあるものであり、あくまでも地域振興のための政策である。

自家醸造の道は、まだまだ遠そうである。

 

 

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