先日、薪ストーブと囲炉裏のことを書いた。
あとになって、思い出したのが、「ランプと振り子時計」である。
ランプから、電灯に変わったのは物心がついてからである。それまでは、灯油を使ったランプが照明器具だった。
今では、ランプといえば使ってるのは山小屋ぐらいである。山小屋も、発電機で自家発電しているかも知れない。インテリアとしてはあるかな。
ランプの灯りは、今の感覚ではとても暗い。
ランプは使っていると、内側にススが付いてくもってしまう。それをきれいにしなければならないのだが、子どもの細い腕だとランプのガラス管の中に入れた雑巾で磨くことができた。だから、小さい子どもの仕事だった。私も、手伝った記憶がある。3、4歳の頃だと思う。
ランプは、吊り下げて固定して使っていた。なにしろ、燃料を入れてあるので取り扱いに気をつけなければならなかったのだろう。
外に出る時は、ちょうちんを使っていた。中に、ろうそくを立てていた。
ちょうちんといったら、時代劇に欠かせない。今なら、お祭りとかで使ってるかもしれない。でも、ろうそくではなく、電球が入っていると思う。
今は、LEDがあるので、電力の使用量も少なく発熱量も少ないので安心だろう。
我が家に電気が開通した日、私はおじいちゃんに子守をしてもらってたのだが、二人で電灯がつくのを確認したのを覚えてる。
今のように壁付きのコンセントはなかった。アイロンとかで、電源が必要な場合は、電灯線から二股コンセントを使った。松下電器の松下幸之助氏は、この二股コンセントを発明して会社を大きくしたのだと言われていた。
振り子式の柱時計があって、毎日ゼンマイを巻かなければならなかった。
柱時計は、高いところに掛かっていたので大人の仕事だった。踏み台を使っていた。
私も、大きくなってからはゼンマイを巻いていた。
柱時計は、動力がゼンマイなのだから、振り子はいったい何の役目があるのだろうと、今さらながら疑問になっていた。
どうも、振り子の等時性という性質を利用して時を刻み方を調整してるということらしい。
「雪国で育った私が体験したこと」という文章に、おしんは山形だけど秋田と似たようなものだろう、と書いた。
私は、「おしん」を見ていない。ただ、秋田と山形という雪国つながりで書いてしまった。
気になって「おしん」のことを、調べてみた。放送当時、とても評判だった記憶はある。ある女性の人生をもとに書かれたということも知っていた。
モデルになった丸山静江さんという方が、山形県ではなく静岡県出身であり、最上川ではなくて実際は大井川を筏で下ったということは、初めて知った。そして、生まれたのが明治30年代だということだ。私の両親よりも、はるかに前の時代の方である。
そんなに古い時代とは、思っていなかった。
「おしん」は、世界68ヵ国で放送されたそうだ。
どうして、そんなに共感を呼んだのか不思議な気がする。
古い時代の、日本という国の、さらに地方出身の女性の物語である。
ある意味、とても特殊な話に。
でも、時代をさかのぼるほど、不便な地方であるほど、貧困や混乱など、
世界の人たちが自分の感覚で理解できる、共感できるものがあるのかも知れない。