晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

地方出版社はどうなってるんだろう

昨年(2019年)7月末をもって、崙書房(ろんしょぼう)が業務を終了し会社を解散した。

崙書房は、千葉県流山市で1970年に設立された出版社である。

設立当初は、千葉県、茨城県に関する文献の復刻版を発行、その後は、地域に根ざした題材を扱った書籍を発行してきた。

私にとっては、流山市在住の作家である山本鉱太郎氏の「新・利根川図志上下」、図書館で見つけて読んだ。これは、崙書房から発行されていた。自分の住むこの近辺の歴史を楽しんで読ませていただいた。

「江戸川図志」も出ているので、これから読もうと思う。

私の住む東葛飾で城跡を訪ねようとしたら、欠かせない書籍がある。

千野原靖方氏の「東葛の中世城郭ー千葉県北西部の城・館・城跡」である。これは、2004年に崙書房から発行されている。

同じく、私が何回も図書館から借りたり返したりしている書籍がある。

やはり同じ著者の「常総内海の中世ー地域権力と水運の展開」である。

その他にも、千野原氏のかなりの著作が、崙書房から発売されている。私にとっては、書名を見ただけで、読んでみたいと思わせるものばかりだ。

そんな出版社が、なくなってしまった。

解散の理由は、「存立基盤である読者や著者、街の書店が減少。そして後継者がいなかった。」と、社長の小林規一氏が述べていた。

 

1970年代、崙書房のように、地方の歴史や文化を出版によって盛り上げていこうという使命感を持って、出版事業に対する取り組みが日本の各地方で生まれていた。

私の郷里である秋田県にも、無明舎(むみょうしゃ)出版という地方の出版社がある。

無明舎出版は、1976年に設立されている。当初は、秋田県の自然、歴史、伝承、風俗などを題材とした書籍が中心だったが、現在では秋田県内にとどまらずに東北地方を題材とした各種書籍も刊行しているようだ。

最新図書目録というのを、見たのだが、驚いてしまった。

これだけの、ラインナップを地方の一つの出版社で出してるの、と思うほどすごく充実したものだった。

中央の大手出版社に負けてない気がした。

 

1976年に、地方・小出版流通センターが設立されている。これは、トーハン、日販などの大手取次会社の流通ルートに乗りにくい地方出版社の特色ある書籍や雑誌を都市部に流通させ、都市部の小規模な出版社の刊行物を地方に流通させることを目指したもので、設立当初180社、最盛期で全国1000社ほどが参加していた。

しかし、バブル崩壊や若者の活字離れのよる出版不況などで苦しい状況にあるらしい。その1000社は、今どんな状況にあるんだろう。

 

小規模な出版社というのが、日本の地方の文化を担っている現実があると思う。将来どうしたらそれを支えていけるか、考えてみる。

出版業も今までのやり方を、変えていく必要があると思う。

それには、図書館のあり方が重要な役割を果たさなければならない気がする。

日本で、出版したすべての出版物は国会図書館に納入しなければならないという制度があるって聞いたことがある。この発想をひっくり返して、出版社を支えるためにそういう制度を作るとどうだろう。地方出版社の書籍は、発行部数が限られるのでどうしても価格が高価になってしまう。

こうなってくると、私の願望と妄想になってしまうな。

図書館が、みんなの本棚として充実すれば、みんなの家に大きな本棚はいらないいんじゃないか。

極端かもしれないけど、図書館がもっと身近なものになればいい。

気軽に行けて、気軽に借りられる。

突き詰めていくと、デジタル図書館ってことになるかな。

そうすると、著作者と出版社と図書館の関係が難しくなる。

でも、いずれ突き当たる問題だと思う。 

 

 

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