晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

柏市の城跡

この数ヶ月で、根木内城址(松戸市)、前ヶ崎城址(流山市)、小金城址(松戸市)を訪ねた。

私は、柏市に住んでいるのだが、流山市松戸市の境界に近いところである。

流山市は徒歩で10分ほど、松戸市は徒歩で20分くらいで行くことが出来る。

私の住む東葛飾には、多くの城跡があるが、ほとんどは平山城といわれるものである。平野にある山や丘陵に築城されたものである。自然の地形を生かして、空堀や土塁を廻らしている。

もちろん、建物は残ってないし、石垣などもほとんどない。想像力を働かせなければならない。

平山城は、戦国時代末期に現れたらしい。それ以前は、もっと険阻な山に築城した山城だった。

山城には、何ヵ所か行ったことがあるが、高い山自体が城になっているので、下を見下ろす感じで、すごい迫力のあるものである。

 

次に訪ねたい城跡を、探してみようと思い、歩いて行けそうな城跡を見ていた。

柏市内(沼南町と合併前)の城館跡は次のとおりである。

増尾城跡 幸谷城(館)跡 戸張城跡 戸張用替城跡 高田城跡 松ヶ崎城跡 布施城跡 大室城跡 猪ノ山城跡

 

増尾城跡は、城址公園として保存されているので何回か行ったことがある。駐車場もあるので便利である。

距離を調べたら思ったより近い。歩いても、1時間かからないで行けそうだ。

増尾城址公園は、総合公園になっていて、城址部分はほとんどそのまま残っていて、さらにそれ以上の広さの森がアスレチックやキャンプ場として整備されている。

とても、気持ちいいところである。

 

幸谷城跡の幸谷という地名は知らなかったのだが、増尾城跡から500メートルほどのところにあるようだ。山林の中に土塁や空堀の痕跡は残っているらしい。

見ることができるのかなあ。

戦国時代以前の居館であっただろう、というのが専門家の見解らしい。

増尾城址も幸谷城館跡はも、近くを大津川の支流が流れている。

 

戸張城跡と戸張替城跡は、以前に妻と散歩で近くまで行ったことがある。

近くに、高校や大学のキャンパスがあり、かつては手賀沼を望めたであろう高台にある。

城跡と思われる場所は、私有地になっていて塀で囲まれて見ることが出来なかった。

 

高田城跡には、二つの説があるらしい。

一つは、熊野神社の東側一帯の台地で、「東葛飾郡誌」に記載があるが、遺構は見られず、痕跡は残っていない。しかし、「殿内」などの地名があるそうだ。

もう一つは、市立柏第四小学校敷地とその東側の台地に土塁空堀などの遺構が残っていたとされるが、中央部を国道16号線が貫通し、台地の原型は失われて、城跡は全く残っていない。

しかし、いづれにしても、その近くを大堀川が流れている。

 

松ヶ崎城跡は、平成16年(2004年)に柏市指定文化財(史跡)に指定され、平成21年(2009年)から一般公開されている。

公開されてから、私も2回ほど行ったが、土塁と空堀に囲まれた曲輪や、虎口、土橋、門跡、などが残り、高台から市街の眺めも気持ちいい。

私は、20代の頃にこの松ヶ崎に1年半ほど住んでいたが、このような史跡が近くにあるのは知らなかった。当時は、整備もされておらず、ほとんど知られていなかったと思う。

 松ヶ崎の崎という字は、通常は陸地が海中や湖中に突き出した所、または山の出っ張った先端をいう。

松ヶ崎の場合は、干拓する前の手賀沼が松ヶ崎城跡のすぐ近くまで迫っていたはずなので、通常の意味の岬と同じような崎かもしれない。

 

布施城跡は、遺構はほとんど失われている。跡地は、「ウイングホール柏斎場」「県立柏高校」の敷地となっている。近くには、「御城」「中城」「外城」などの屋号を持つ旧家があるそうなので、それが城域の範囲を示しているかもしれない。

中世には、常陸川(現利根川)に面した要害だったであろう。この地域は相馬氏の拠点だったと思われ、古河・関宿方面と鹿島香取海・印旛方面を往来する船舶を掌握していたのだろう。

 

大室城跡は、現在の花野井の陸上自衛隊柏高射教育訓練場の敷地にあった20メートルほどの標高の丘陵であったが、削平されて消滅している。

隣接する東急ニュータウン柏ビレジ一帯にも、城に関係すると思われ地名が残っているので、城域はかなり広いものだったかもしれない。

 

猪ノ山城跡は、現在は柏市山高野浄化センターの敷地とその西側の雑木林が城域らしいが、明治時代に利根運河建設に伴って台地の大半が消滅したこともあり、遺構は見当たらないようだ。

 

柏市の城跡を、調べてみて気がついたことをまとめてみる。

城跡はだいたい舌状台地といわれる台地の先端にあることが多い。そして、近くを川が流れている。

城跡の近くには、香取神社があることがある。

香取神社鹿島神社は、ともに武神として崇敬されてきており、東葛飾の地域にも多くの分社があるが、特に香取神社は水運との強い関係があると言われており、元は低湿地だった所に分布しているようである。

柏市のうち旧沼南町地域を除いた地域にある城跡と思われる箇所は9ヵ所である。しかし、旧沼南町地域にはその倍の城跡があると思われる。旧沼南町地域に、城跡が多いのは干拓前の広大な手賀沼に面していたからだろうか。

 

 

 

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