晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

半七捕物帳 岡本綺堂

この何週間か、「半七捕物帳」を、読んでいる。

青空文庫には、69編の「半七捕物帳」シリーズが収録されているが、現在その半分近くまできた。自分では、今までにけっこう読んだつもりでいたが、ほとんど読んだ記憶がなかった。

たぶん、新しく公開されたものから読んでいて、古いものを読んでなかったのかもしれない。

「半七捕物帳」は、大正6年(1917年) に雑誌に連載が始まり、中断しながらも昭和初期まで書き続けられたという、時代小説・探偵小説草創期の傑作と言われている作品である。

この作品が成功したことにより、「捕物帳もの」が、定着したようである。

 

「五大捕物帳」と言われるものがあって、「半七捕物帳」のほかに、次の作品が挙げられる。

野村胡堂の「銭形平次捕物控」。これは、時代設定が遡って、寛永である。

佐々木味津三の「右門捕物帳」。同心近藤右門が主人公である。

横溝正史の「人形佐七捕物帳」。美男子の岡っ引き人形佐七が主人公だ。

城昌幸の「若さま侍捕物帳手帖」。「若さま」と呼ばれる、名前も身分も不詳の侍が主人公である。

これらのうち、岡本綺堂野村胡堂佐々木味津三の作品は、青空文庫には収録されているが、横溝正史城昌幸の作品は著作権保護期間の関係でまだ収録されていない。

これらの5つのシリーズは、いずれもテレビドラマ化されているようだ。私も、見たような気がする。

でも、はっきりしてるのは、大川橋蔵銭形平次である。これはもう、大川橋蔵と言ったら銭形平次だし、銭形平次と言ったら大川橋蔵だ、というぐらいのものである。

その他は、かなり曖昧で、ぴんとこない。

「半七捕物帳」は、尾上菊五郎とか、里見浩太朗真田広之がテレビでやってるらしいけど、小説を読んでいて私の頭の中に浮かんだ顔は、中村梅之助だった。

と言うことは、見てないのかな。

「右門捕物帳」は、中村吉之助杉良太郎あたり。

これは、中村吉之助と岡っ引きが左とん平ということなので見ている。

「人形佐七捕物」は、松方弘樹林与一

林与一の人形佐七は、見ていた気がする。

「若さま侍捕物帳手帖」は、主演が、林与一東山紀之

こうなると、よくわからない。

 

「半七捕物帳」は、化政、幕末期に御用聞きとして難事件・珍事件に関わった半七老人を、明治の中期ごろに新聞記者である「わたし」が訪問して、茶飲み話のうちに手柄話や失敗談を聞き出すという設定になっている。

半七老人は、「わたし」と知り合った頃は、隠居して赤坂に住んでいる。

「捕物帳」は、町奉行所に勤める同心与力の報告を書記が筆記した捜査記録のことである。

半七老人の語る事件は、血なまぐさいものもあるが、人間の愚かさや、弱さからのものだったり、少し笑えるものだったりする。

半七老人は、温厚で粘り強く、ユーモアもある。物語は、私が老人を訪ねて、昔話を聞くという構成である。

事件ものであるが、後味はそんなに悪いものではない。

 

私は、Androidスマホで、「読書尚友free」というアプリを使って、青空文庫のテキストを読んでいる。

アプリは、青空文庫と連動しているので使いやすい。

フォントサイズ20、9行で、80ページくらいである。15分から20分くらいで読み終える。

こんな文明の利器で、江戸時代を舞台にした物語を読んでいる。

 

かつて、ソニーPDAであるclieでテキストを読んでいた時は、将来こんなに手軽に読書できると思ってなかったな。

21世紀って、子ども頃は果てしなく遠いところにあった。

 

 

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