晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

鬼怒川と下総国

地図の楽しみの一つに、川の流れを見ることがある。

関東平野のように、広い平野をどのように川が流れて行くのか。その源流は、どこなのか。

どんな支流の水を集めてきたのかを、たどってみるのもおもしろい。

関東平野は、それほど高い山もない平地を、いろんな川が流れている。途中で川幅を広げたり、流れの向きを変えたりする。川の中に中洲や中島のようなものがあったりする。

川岸に道があると、これは自転車で走れるだろうか、と考えてみる。

さらに、人間が治水のために、どのように努力をして、流れを変えてきたのかということもある。

 

利根運河利根川の接合部のあたりを、「茨城県道路地図」で見ていた。

利根運河は、利根川から江戸川に流れ込むようになっている。

接合部の向こう岸は、茨城県守谷市である。

ちょうどこの辺りで、鬼怒川が利根川に合流している。そのせいで、千葉側の河川敷はとても広いものになっている。

鬼怒川は、かつては「絹川」とか「衣川」などとも書かれていたようである。もともとは、律令制移行前に、群馬県栃木県南部あたりが、「毛野国」(けぬのくに)と呼ばれていたことからきているそうである。

鬼怒川の流れを、地図でたどって行くと、ところどころ曲がりながら、どんどん北上して行く。

そして、関東鉄道常総線小絹駅のあたりで、東方に小貝川が現れる。小貝川は、流れを変えて、取手市方向に流れて行く。

鬼怒川をなおもたどって行くと、小貝川もやや離れながら北上して行く。

 

鬼怒川は、水海道、石下、下妻と過ぎて行く。

小貝川は、つくば市の西側を北上する。

さらに、鬼怒川は、結城市と築西市の間を、小貝川は、大谷川、五行川を合流させながら、築西市を過ぎて行く。

鬼怒川、小貝川ともに北上して栃木県に入る。

「栃木県道路地図」は持ってないので、「東日本道路地図」を見るが、縮尺が大きいので、小貝川は細くなり、川幅がなくなり青い線になってしまう。

小貝川は、那須烏山市曲畑を水源とする。小貝川は、これという山岳などが水源にはなってないようだ。途中でいろんな支流から水を集めて、次第に大きな流れになって、利根川に流れ込んでいる。

鬼怒川は、氏家のあたりで方向を西に変えて、日光市奥鬼怒に遡り、鬼怒沼を水源とする。

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鬼怒川と小貝川の分離

 律令制によって、令制国下総国常陸国ができた頃、その両国の境は鬼怒川と香取海だった。

その頃の鬼怒川は、旧谷和原村付近で小貝川を合流させ、河内町から稲敷市柴崎付近が香取海への河口となっていた。

下総国には、次の11の郡が置かれた。

葛飾、千葉、印旛、匝瑳、相馬、猿島、結城、岡田、海上、香取、埴生。

律令制以前に、国造が置かれていたのは、印波国造(いんばのくにのみやつこ)、千葉国造(ちはのくにのみやつこ)、下海上国造(しもつうなかみのくにのみやつこ)だけである。

印波国造の国に支配領域は、のちの印旛郡である。

千葉国造の国の領域は、のちの千葉郡、現在の千葉市である。

海上国造の国の領域は、銚子市旭市である。

それぞれの支配領域を考えると、その他のかなりの地域に支配が及んでいなかったものと思われる。

しかも、令制国としての下総国国府国分寺などは、それまでの国造の支配領域には含まれていないと思われる市川に置かれている。支配する領域を拡大しようとしたのだろうか。

 

江戸時代になって、それまで江戸湾に流れていた利根川の主流は、常陸川に接続され東遷事業により、流路を変更された。

また、鬼怒川と小貝川も分離され、それぞれが利根川に合流するようになった。それまで合流して利根川と並行して流れていたので、洪水をおこすことが多かったので、それを避けるためと思われる。

明治維新後の廃藩置県により、下総国は、利根川を境に茨城県と千葉県に分割された。

結城、猿島、岡田の3郡は茨城県となり、相馬郡利根川を境に茨城県側と千葉県に分けられた。

都道府県の境界は、高い山岳の尾根になっていることが多いように思うが、関東地方のように河川が境界になってるのは少ないのかもしれない。

 

 

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