晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

花のニッパチ 昭和という時代

私が20歳くらいの頃、「花のニッパチ」ということばがマスコミでよく使われていた。

「ニッパチ」ということばは、もしかすると今でも使われているかもしれないが、「花のニッパチ」というのは使われたのがとても短い期間だったと思う。4、5年くらいかな。

大相撲の幕内力士に、昭和28年生まれが一挙に出てきたので、この言葉が使われた。

母が相撲好きでよく見ていたし、私も、昭和28年生まれだったので、気にはなっていた。

北の湖、若三杉、麒麟児、金城、大錦が、その5人の関取である。

北の湖は、21歳で横綱に昇進している。

若三杉は、その後二代目若乃花を襲名し、横綱に昇進した。

先代の若三杉という力士のファンだったことを思い出した。絵に描いたようにきれいな相撲取りだった。

麒麟児、金城は、関脇が最高位、大錦は小結が最高位である。

今はほとんど相撲は見ない。

 

昭和28年は、西暦で1953年である。

1950年から始まっていた朝鮮戦争が、その年の7月、休戦となった。

国連軍と中朝連合軍は、朝鮮戦争休戦協定に署名し、休戦に至り、休戦時の前線である北緯38度線付近が軍事境界線となった。

この戦争において、日本はアメリカ軍の補給基地としての役割を果たした。その結果、朝鮮特需による好景気により、敗戦後の経済再建の機を掴むことができた。

「高度経済成長」ということばがよく使われる。その時期が、「ニッパチ」の成長した時期とピッタリ重なっている。

昭和29年、1954年の第一次鳩山一郎内閣から、昭和48年、1973年の第二次田中角栄内閣の時代である。

1973年は、ニッパチの世代が20歳を迎えた年だった。

我々の世代は、そのような時代の中で成長した。

「戦後」というものを、あまり感じることなく育ったかもしれない。

 

1972年、私が学生になった年に、当時総理大臣だった田中角栄は、「日本列島改造論」を発表した。

「工業再配置と交通・情報通信の全国的ネットワークの形成をテコにして、人とカネとものの流れを巨大都市から地方に逆流させる “地方分散” を推進すること」を主旨とする、政権公約だった。具体的には、新幹線、高速道路、本州四国連絡橋など高速交通網を整備することであった。

これによって、土地の買い占めにより地価が急激に上昇し、その影響で物価も上昇しインフレーションとなり、社会問題になった。

1974年に、田中角栄は金脈問題によって退陣する。

私は、1976年に就職したのだが、物価高、インフレはまだ続いていた。

物価高から労働者を守るために、何をするかといえば「ベースアップ」である。

今のようなデフレの時代に、この言葉を説明するのはむずかしい。

そのままだと、物価高のために給料が目減りするので、給料自体を底上げしていた。南米のようなとんでもないインフレではないにしても、年数%の物価高をなんとかしなければならなかった。

たぶん、今は死語になってるかな。

春闘によって、ベースアップをする。春闘も死語か。

それにならって、公務員の給料もベースアップをしていた。

毎年、そんなことをやってた。

 

バブル景気って、1980年代かな。

そして、バブル崩壊だ。泡は消えるものだ。

でも、中身はないからバブルって言ってたんだから、みんなわかってたんだよな。

それから、長期低落の時代になる。

デフレーションということばが言われるようになる。

 

プロ野球にも、「 プロ野球28会」という昭和28年生まれの会があるそうだ。

2011年発足らしいので、現役引退後である。

中畑清梨田昌孝真弓明信若菜嘉晴田尾安志落合博満羽田耕一吹石徳一、藤瀬史朗、庄司智久、岡義朗、大町定夫、定岡智秋ランディ・バース

知らない名前もあるけれど、この方々は同級生だったんだな。

野球を通した社会貢献活動を今もやってるらしい。

 

中学生ぐらいの時に、授業の中で自分たちの同級生は200万人以上いる、というのを教わった記憶がある。

先日、テレビのニュースで、2020年(平成2年)の出生数は、「過去最低の87万2683人である」となっていた。

もうそんなに少ないんだ、と思って、昭和28年生まれを調べてみた。

1953年昭和28年生まれは、186万8040人だった。

その前年は、200万人を越えていたのが、この年に200万を大きく割っている。

最も多いのは、1949年昭和24年の269万人である。

なるほど、この前後が団塊の世代なのか。

 

 

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