晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

日本旅行記、訪問記、滞在記の類いについて①

外国に行って、初めて日本がどういう国かがわかる、というようなことはよく言われる。

日本にいる限りは、それが当たり前なので意識して考えることがない。

私の数少ない海外旅行の経験で、感じたことがある。

家族でカナダのバンクーバーに行った時、ホテル近くのスーパーマーケットに出かけた。

いろんなものが量り売りになっていた。

日本だったら、何種類かの容量でパック詰になってるだろう。

無駄が出ないだろうが、面倒である。

日本もむかしは、こうだったのかも知れない。

後日、他のスーパーにも行ったが、同じ方式だった。

 

日本で暮らしていれば、日々の生活や目に見える風景は当たり前すぎて、それを記録しようとは思わないだろう。

他の国に行って、今までの記憶と違ったものに出会ったときに、これはなんだと思う。

バンクーバーで、町外れの市場に行くことにした。

歩けそうな距離だったので、歩いて行くことにした。

ホテルのあるにぎやかな通りから、500メートルくらい歩いたあたりで、ふと気がついた。

まわりの街並みの雰囲気が、それまでと変わっている。

凄惨というのか、近づいてはいけない感じの雰囲気の一角だった。

とにかく、早く通り過ぎたくて、まわりを見ないように、息を止めるようにして通り過ぎた。

今まで、経験したことのない感覚だった。 

 

 日本とは違った国で育った人が、日本へ来たら自分が暮らしていた国と比べて、いろいろと感じることがあると思う。

それは、日本で生活していたら、当たり前のことである。

だから、日本人はそういうことについて、書いたりはしない。

そんなことを考えていて、図書館で日本旅行記、訪問記、滞在記の類いを探していた。

なかなか見つからなかったが、我孫子市立図書館で4冊借りてきた。

明治後期に来日したイギリスの写真家ポンティング、そして幕末期にフランス海軍士官として来日したスエンソンの著作である。

あと2冊は、戦国時代にキリスト教伝導のために来日した宣教師のスペイン人ザビエルとポルトガルフロイスである。

戦国時代よりもっと古いのって、あるのかなと考えてみた。

室町時代から江戸時代にかけて朝鮮が派遣した「朝鮮通信使」というのが何回かあって、記録も残っているらしい。

もっと古いものを考えてみた。

 

魏志倭人伝」があるじゃないか。

邪馬台国だとか卑弥呼とかで話題になる「魏志倭人伝」。

魏志倭人伝」は、正確には、三国志の魏書中の東夷伝倭人条であるらしい。

中国では、それぞれの王朝が正史といわれる歴史書を編纂している。その王朝が終わってから作るのだろうから、次の王朝が編纂するのかな。

だから、それぞれの歴史書倭国や日本についての記事が残っている。

 

魏志倭人伝から、風俗などの文章を抜き出してみる。

魏は、220年から265年に存続していた国なので、その頃の倭国についての記述ということになる。

 

其會同坐起 父子男女無別 人性嗜酒
「その会同、坐起では、父子、男女は別無し。人性は酒を嗜む。」


見大人所敬 但搏手以當跪拝 其人寿考 或百年或八九十年
「大人を見て敬する所は、ただ搏手し、以って跪拝に当てる。その人は寿考、或いは百年、或いは八、九十年。」


其俗国大人皆四五婦 下戸或二三婦 婦人不淫不妬忌 不盗竊少諍訟 其犯法 軽者没其妻子 重者没其門戸及宗族 尊卑各有差序足相臣服
「その俗、国の大人は、皆、四、五婦。下戸は或いは、二、三婦。婦人は淫せず、妬忌せず。盗窃せず、諍訟少なし。その法を犯すに、軽者はその妻子を没し、重者はその門戸、宗族を没す。尊卑は各差序有りて、相臣服するに足る。」

 

酒を好むとあるのだが、この頃の酒は何から作っていたのだろう。どのような酒だったのか、興味深いところである。

長生きで、100歳もあるということだけど、ほんとだろうか。平均寿命は、どれぐらいだったのだろう。

 

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