高校時代、私は音楽少年であったが、映画少年でもあった。
毎月一回、映画館に通っていた。
まだ映画の時代だったので、大館のような地方の街でも映画館が3館あった。
邦画専門が1館と洋画系が2館だったと思う。
少ない小遣いで、せっせと通っていた。
アメリカンニューシネマとかいって、若者向けの映画がどんどん作られていた。
その頃、「イージーライダー」という映画を見た。
1969年製作で、日本では1970年公開なので、高2の時に見てる。
ピーター・フォンダとデニス・ホッパーの2人が、カリフォルニアから南部のニューオーリンズにバイクで旅するものだった。
映画の内容は、アメリカの社会問題をよく知ってない頃なのでいまひとつわからなかったが、バイクで疾走するシーンが印象的だった。
バイクは、ハーレーダビッドソンらしいが、ハンドルの位置が頭の上にあるようなやつである。
ステッペン・ウルフの「ワイルドでいこう」という曲が流れるのだが、とにかくかっこよかった。
“Born To Be Wild"を、「ワイルドでいこう」とした日本語訳も、なかなかだと思った。
Steppen Wolf “Born To Be Wild"
この曲は、映画「イージーライダー」の中で、効果的に使われていた。
ステッペン・ウルフは、カナダのトロントで結成された。
バンド名は、ヘルマン・ヘッセの作品名からつけられている。
ボーカルのジョン・ケイは、ドイツ系移民である。
歌詞の中に、”heavy metal thunder"ということばが出てきていた、これが「ヘビー・メタル」のもとになったと言われている。
私が、バイクは乗らないが、車のドライブにも最高な曲である。
Steppenwolf - Born To Be Wild (1969) - YouTube
Harry Nilsson "Everybody's Talkin'"(うわさの男)
この曲は、映画「真夜中のカウボーイ」で、使われた。
ハリー・ニルソンは、当初はソングライターとして認められていたが、自ら歌うアルバムを出すようになって、この曲は3枚目のアルバムに収録されていた。
映画は、ダスティ・ホフマンとジョン・ヴォイトの主演だった。
詐欺師の小男ダスティ・ホフマンとその被害者のジョン・ヴォイトという不思議なコンビが、夢をかなえるためにフロリダ行きのバス旅行をする、という話だった。
ダスティ・ホフマンは名を知られていたが、ジョン・ヴォイトは無名だったと思う。
ダスティ・ホフマンの脚が不自由で情けない感じが、印象に残っている。
ジョン・ヴォイトは、その後さまざまな映画に出ていて、アカデミー賞も受賞している。
「ミッション・インポッシブル」でも、出ていたと思う。
Harry Nilsson - Everybody's Talkin' (1968)
https://www.youtube.com/watch?v=9kznTMxOsxo
Glen Weston "What Is A youth"
この曲は、映画「ロミオとジュリエット」の主題歌である。
「ロミオとジュリエット」は、調べてみたとこでは6回映画化されている。
1908年、1936年、1945年、1968年、1996年、2013年である。
私が見たのは、1968年公開のものである。
日本公開は、1968年11月となっているので、翌年1969年に高校に入学して一学期に見に行ってる。
当時は、日本公開になった映画は何ヶ月もかけて、日本全国を回っていた。
今は、フィルムではなく、データをコピーしたハードディスクと聞いたような気がする。
コピーが簡単なので、一斉公開とかできるのかも知れない。
まだ、親戚宅に下宿していた時に、友人に誘われて行ったのを覚えている。
当時の私にとって、いろんな面で衝撃的だった。
何がどうだったか説明するのはむずかしい。
これによって、私は映画少年になったのだと思う。
レナード・ホワイティングとオリビア・ハッセーが主演だった。
https://www.youtube.com/watch?v=i928dOYLfMQ
「ロミオとジュリエット」がきっかけとなって、映画を見に出かけるようになった。
それまでにも、映画は見たことがあった。
小学校でも中学校でも、毎年映画上映会があった。
親戚が、街で映画館をやっていたので、見に行ったこともある。
末っ子だったので、映画好きの母親に連れられて、日本映画も見に行った。
高校生になってからは、毎月、見る映画を決めて、一人で出かけた。
ほんとに、楽しみにしていた。