先日、日本酒には純米酒とそうではないのがあるということを書いた。
毎日、日本酒を飲んでいるうちに、考えることがあった。
日本酒は、世界で飲まれるようになって、定着する可能性が充分にあるのではないか。
その理由は、日本酒と競合するものが少ないと思うからである。
原料を発酵させてできた酒が醸造酒であり、日本酒、ビール、ワインがそうであろう。
醸造酒を蒸留して、アルコール度を高くしたのが蒸留酒で、焼酎、ウィスキー、ブランデーがそうなるだろう。
これが私の知識だったが、間違っていなかった。
ここで名前の上がったのが、代表的なものだということになるらしい。
でも、日本酒、ビール、ワインの三つはそれぞれまったく違った作り方をしている、というのは初めて知った。
単発酵 ワインなど
原料そのものに糖分が合まれているので、酵母を加えるだけでアルコールへと発酵させることができる。
糖分を多く含む果実を原料とする、ブドウ酒(ワイン)、りんご酒(シードル)、なし酒(ペアサイダー)などがある。
単行複発酵 ビールなど
デンプンを糖へと分解する工程(糖化)と、その糖を酵母により発酵させる工程を別々に進行させる。
並行複発酵 日本酒など
糖化と発酵を同時に進行させる。それが「並行複発酵」と呼ばれる醸造法で、日本酒が持つ、まろやかで深い味わいを醸し出すもとになっている。
日本酒と同様の並行複発酵の方法で作られる醸造酒には、他に中国の紹興酒、韓国のマッコリがある。
紹興酒は、糯米と麦麹で、アルコール度数は14〜18であり、糖分により4種類あって、甘くて色が濃い。
マッコリは、米を主原料とし、アルコール度数は6〜8である。乳酸飲料のような微かな酸味と炭酸発泡の味があり、白く濁っている。
蒸留酒については、世界各地でそれぞれの地域で様々な蒸留酒が作られている。
酵母によるアルコール発酵による醸造酒のアルコール度は16〜20が限度である。
これ以上のアルコール度になると、酵母自身が死滅してしまう。
なので、これ以上のアルコール度にするには、蒸留によるエタノールの濃縮が必要になる。
世界中で作られている蒸留酒は、数多くある。
日本で、手に入れられて、名前を知ってるようなものだけでも次のとおりである。
ウオッカ (ライ麦、グレーン、甜菜、フルーツ、ジャガイモなど)
ジン (大麦、ライ麦、ジャガイモ)
テキーラ (竜舌蘭)
茅台酒 (高梁)
ブランデー (果実酒)
コニャック (ぶどう)
泡盛 (インディカ)
焼酎 (米、麦、さつまいも、黒糖、そば、栗、とうもろこし、酒粕、糖蜜)
このように、百花繚乱である。
この他にも、さくらんぼ、バナナ、りんごを原料とするようなローカルなものが多くある。
この中に、日本の泡盛や焼酎が入っていくのはかなりむずかしいだろう。
しかし、醸造酒のラインナップを見ると、世界的に普及してるのはワイン、ビールである。
それぞれ、まったく違うものである。
そして、日本酒も、ワインともビールともまったく違っている。
手軽に飲めるアルコール度の日本酒は、醸造酒のラインナップに入り込めると思う。
日本酒のすっきりした味わいは、なかなか他の酒にはないものなので、世界のお酒好きな人には充分に受け入れられる余地がある。
ライバルとしては、紹興酒とマッコリになるが、どう考えても日本酒にアドバンテージがあるだろう。
私のような素人がそう思うのだから、日本酒関係者はとっくに考えてるよね。