テレビをつけて、夕食を作っていた。
テレビから「大館」ということばが聞こえたので、急いでテレビの前に行った。
フィギュアスケートのザギトワさんが、秋田犬とたわむれていた。
彼女の愛犬「マサル」の故郷を、訪ねたというニュースだった。
そして、「マサル」の兄弟犬に会ったらしい。
何年か前に、秋田犬保存会が、ザギトワさんに秋田犬を贈ったニュースは知っていた。
大館市役所の近くには、秋田犬会館があってその中に秋田犬博物館があるのは知っていたが、入ったことはなかった。
昨年、母の姉さんの葬儀で帰ったら、大館駅駅前に「秋田犬の里」という立派な交流施設ができていた。
秋田犬の歴史や特徴についての展示や、お土産が売っていた。
コロナでなければ、秋田犬のいる部屋にも入れたらしいのだが。
秋田犬は、日本犬の中でも最北系に属する大型犬である。
もとは、「大館犬」(おおだていぬ)と呼ばれていたが、1937年(昭和6年)に、天然記念物に指定された際に、「秋田犬」として指定されたことから、この名称が一般化した。
秋田県の北部にこのような犬が残ったのは、やっぱりマタギなどの文化があったので、狩猟犬として必要とされたんだろうな。
大きい体のわりに、目がちっちゃいのもかわいいかもしれない。
昨年には、渋谷駅ハチ公前広場にあった通称「青ガエル」の元東急車両が、大館市に寄贈されたらしい。
秋田犬の里に置くのかな。
大館という町にとって、今や観光資源として、「秋田犬」や「忠犬ハチ公」は、欠かせないかもしれない。
「秋田音頭」という江戸時代からあるらしい民謡がある。
替え歌のように、どんどん歌詞が増えていて、決まったものはないようだ。
そのなかに、秋田の名物を並べたのがある。
秋田名物 八森ハタハタ 男鹿で 男鹿ブリコ
そういうわけで、大館と言ったら曲げわっぱである。
秋田杉は豊富だが、加工が容易な天然秋田杉は、現在伐採禁止になっているらしい。
そこで、造林杉による曲げわっぱの加工を研究中ということで、なかなか大変なことになってる。
曲げわっぱといえば、私は桜の皮細工を思い出します。
たしか、曲げわっぱの接続部とかにも使っていたと思う。
茶筒なんかが代表的だと思うが、これは角館が本場らしいです。
曲げわっぱも桜の皮細工も、いいものをひとつくらいほしいなと思います。
職人の仕事なので、値段が高めなのはしょうがない。
秋田を離れた数十年前、スーパーの売り場には、「きりたんぽ」はなかった。
それから、ずいぶん経って、鍋ブームのせいもあったのか、だいたいきりたんぽを置くようになった。
きりたんぽは、家庭料理だったので、私が子どもの頃はお店で食べるものではなかった。
秋田は、広いので食文化が地域によってちがう。
きりたんぽは、県北部で食べられていたのだと思う。
県北のうちでも、北東部の鹿角、大館あたりが中心だったらしい。
「しょっつる」という魚醤が日本海沿岸部でつくられてきて、それを使って秋田市周辺では「しょっつる鍋」というのがある。
また、県南部は、宮城県、山形県などで行われている「芋煮会」の文化圏であるとのことだ。
たしかに、県北で芋煮はやっていなかった。
考えてみたら、どこの都道府県も、北と南では、西と東では、ずいぶん違う。
私の住む千葉県も、北は下総国、南は安房国、西は東京都の境江戸川、東は利根川河口銚子だ。
言ってみれば、別世界かも。