晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

日本の城、そして東葛飾の城跡

城跡や城址といわれるものは、全国にどれくらいあるのだろうか。

明治6年(1973年)に「廃城令」が発せられた時点では、全国の城郭については陸軍省所管財産であった。

以後も陸軍が軍用の財産とするものは、「存城処分」として引き続き陸軍省所管の行政財産とされた。

それ以外のものは、「廃城処分」とされ、大蔵省所管の普通財産とされ、大蔵省で処分すべきものとされた。

「存城処分」といっても、そのまま陸軍省が兵営地等として使用するもので、城郭陣屋はほとんど取り壊されていて、陸軍省の施設が建設されていて、例外的に、姫路城や彦根城は主要な建造物が残っているものもある。

「廃城処分」は、城郭陣屋は取り壊され、土地は地方団体や学校用地として払い下げられた。

しかし、例外的に建造物が取り壊されず払い下げられて、諸処の理由により建造物が現存している、犬山城松本城の例もある。

江戸時代には300弱の藩があったとされるが、 1969年(明治2年)の版籍奉還で、土地と人民を明治政府に「奉還」した大名は274名となっている。

しかし、「廃城令」が実施された時点で、現存していた城郭は約200で、大名のすべてが城郭をもっていたのではないようである。

これらの城は、明治初期には確かに存在していたもので、廃城になった後でも城下町だった一部として保存されている。

 

私たちの身近にある城址は、戦国時代やもっと古い時代に使われていたもので、廃城になってから長い時間が経っている。

私が住んでいる千葉県北西部の東葛飾にも、多くの城跡が残っている。

この辺りは、千葉県北部に横たわっている北総台地の西部になる。

北総台地は、20mから40mのなだらかな起伏が続く台地である。

この地域の城跡については、「東葛飾の中世城郭-千葉県北西部の城・館・城跡」という、千野原靖方さんの書籍がある。

城跡を実地調査して、明治時代の地形図をもとに城地を確認して、城館の歴史・伝承についても、検証している。

特に、この地域の城が、水上交通との関係が深いことからこの視点でも考察している。

千野原氏は、この書籍の前書きで、次のように述べている。

 

 「東葛飾郡市内の中世城館跡は、そのほとんどが侵食によって形成された谷津・谷津沼に面した下総台地の縁辺や突出部に占地している。

谷地を流れる河川は、南部では東京湾にそそぎ、中北部では江戸川・利根川手賀沼印旛沼流入しており、城館跡もこれらの水系に沿って分布している。

中世、内海(香取海/現霞ヶ浦)及びこれにつながる常陸川(現利根川)・手賀・印旛浦の水域は、今日よりも谷津深くまで入り込んでいたとみられるので、城館と水運が密接に関係していたことが推察される。」

 

この書籍では、東葛飾の城跡として、約90の城跡が取り上げられている。 

船橋市  14 市川市  6 鎌ヶ谷市 2 松戸市  18 流山市  4 

柏市   9 旧沼南  18 我孫子市 10 野田市  8 

このうち、船橋市市川市東京湾に面していて総武線で東京との関係が密接である。

人口も多く、早くに市昇格して東葛飾郡を離脱したので、柏市に住んでる私などは、船橋・市川が東葛飾であるという感覚が薄い。

千葉県には、どれくらいの城跡があるのだろうと、ウイキペディアの「千葉県の城」の項目を調べてみたら、約800の城跡がリストアップされていた。

同様に、「日本の城一覧」の項目を見ると、約2400である。

いくらなんでも、日本の城跡の三分の一が千葉県にあるはずはないので、都道府県のよりリストに片寄りがあるようだ。

城跡といっても、建物が残ってるわけでもなく、城だったという痕跡がどの程度残っているか、ということなので、調査などの状況によって、かなり差が出てしまうのだろう。

 

東葛飾の城跡としてリストアップされたものを見ると、だいたい城の名前として地名になっている。

実際に、行ったことがあるのは、数えるほどで、ほとんどは行ったことがない。

しかし、城の名前になっている地名はほとんど知ってるし、行ったこともあるものが多いので、近くまで行ってるのも多いと思う。

今は、歩いて行けるところに、行ってる状況である。

 参考までに、近隣市の城跡のリストを載せる。

 

柏市内(沼南町と合併前)の城館跡 9

増尾城跡 幸谷城(館)跡 戸張城跡 戸張用替城跡 高田城跡 松ヶ崎城跡 布施城跡 大室城跡 猪ノ山城跡

沼南地域(現柏市)の城館跡 18

高柳城跡 高柳谷中台城跡 殿山城跡 大井追花城跡 藤ヶ谷城跡 藤ヶ谷中上城跡

金山寺山城跡 泉城跡 泉妙見山城跡 柳戸砦跡 手賀城跡 布施城・館跡 松前館跡

高野館跡 箕輪城跡 箕輪如意寺城跡 鹿島城跡 鷲野谷城跡

 

松戸市内の城館跡 18

松戸城跡 相模台城跡 根本城跡 上本郷館跡 上本郷城跡 千駄堀館跡 中根城跡 

馬橋城跡 馬橋龍房山城跡 

幸谷城跡 栗ケ沢城跡 根木内城跡 行人台城跡 小金城跡

向台館跡 殿平賀城跡 中金杉城跡 幸田城跡

流山市内の城館跡 4

前ケ崎城跡 名都借城跡 花輪城跡 深井城跡

 

鎌ヶ谷市内の城館跡 2

佐津間城跡 中沢城(道野辺館)跡

野田市内の城館跡 8

山崎城跡 堤台城跡 金野井城跡 船形館跡 目吹城跡 木野崎城跡 三ヶ尾城跡 関宿城

我孫子市内の城館館 10

根戸城跡 法華(花)坊館跡 久寺家城跡 我孫子城跡 柴崎城跡 中峠城跡 新木城跡

羽黒前館跡 龍崖城跡