天気予報では、気温は上がらず雨も降る可能性が低いらしい。
久しぶりに、ランニングに出かけようと思う。
手賀沼は、ここのところけっこう行っている。
江戸川は、サイクリングは行ってるが、ランニングはしてない。
ランニングだと帰りがきついので、自転車ではなく車にする。
車を停めて、江戸川の土手に向かう。
歩き始めると、広い敷地の邸宅があって、「一茶双樹記念館」という看板があった。
江戸時代の俳人小林一茶は、この東葛飾に俳句を通じた友人があり、流山もゆかりの土地であるらしい。
この建物の前は、よく歩くがまだ記念館には行ったことはない。
さらに歩くと、光明院という真言宗の寺院があった。
入り口の案内板を見ると、元の名称は長福寺で、菩薩形坐像という仏像があるらしいが、今日は先を急ぐので、通り過ぎる。
このお寺の隣は、赤城神社である。
背後に広い森があるので、お参りすることにする。
参拝したあと、江戸川土手の方向に歩き出すが、百メートルも行かないうちに寺院があった。
流山寺は、コンクリート造りの一風変わった建物だった。
流山七福神のうちの大黒天であるとの、案内板があった。
大黒天は、ヒンドゥー教の神であるとある。
それにしても、七福神というのは不思議なものだ。
一般的には、恵比寿、大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋、寿老人、弁財天であるが、それぞれヒンドゥー教、仏教、道教、神道などに背景を持つものらしいが、日本ではセットになっている。
恵比寿さまが、唯一日本由来の神であるということだ。
お寺の前を通って、土手に向かう。
雨天が続いていたので、江戸川は泥水の色である。
空も一面雲で、薄暗い。
サイクリングならば、流山橋を埼玉県に渡り、三郷から東京方向に南下していた。
今日は、ランニングなので、千葉県側の土手をそのまま、松戸方向に南下することにする。
いつもは、自転車で北上して来る土手を、反対に南下して行く。
肌寒いくらいの気温であるが、走り始めていると土手を渡る風が心地よい。
武蔵野線、ガス管橋、つくばエクスプレスと橋を越えていくと、松戸排水機場に着く。
江戸川と並行する坂川から分岐して来た坂川放水路が、ここで江戸川と合流するが、立派な水門があって、水量を調整している。
説明板によると、東京側を江戸川と並行して流れる中川や綾瀬川も、三郷放水路や綾瀬川放水路によって、それぞれがつながっていて、増水の際にはその流水量を調整することにより、洪水を防いでいるとのことである。
ひさしぶりのランニングは、快調に走れた。
柴又帝釈天の向かいにある矢切りの渡しまで行こうと思っていたのだが、出発が寄り道で遅れたので、河川敷にある「コスモス畑」まで行くことにした。
「コスモス畑」は、上葛飾橋の近くにある。
家族で、何回か来たことがある。
初めて「コスモス畑」を見た時は、一面に花が咲き乱れていて感激した。
松戸市では、江戸川土手を公園のように整備している。
土手を遊歩道として、休憩できるように一里塚には、ベンチなどが設置されている。
しっかりしたトイレもあるので、散歩やランニングしていても、安心である。
一里塚は、古ケ崎と矢切りの渡しにもある。
もちろん、江戸川には他の市にもそのような施設はあるが、それぞれ、一ヶ所くらいしかない。
コスモス畑に近くなったら、年配の方が大勢集まっていた。
どうも、ゲートボール場の芝刈りをしているらしい。
でも、ゲートボール場って芝だっけ。
ゲートボールは、すっかり日本の老人の生活に定着したようだな。
もし、ゲートボールがなかったらと思うと、やっぱりあってよかったものだろうな、と思う。
コスモス畑に到着したが、花はまばらだった。
茎はとても高く伸びているのに、花が少ない。
何年か前に、江戸川が増水して、河川敷が長い期間にわたって冠水した。
そのせいか、その後コスモスの花のつき方が悪くなった気がする。
何百メートルもあるコスモス畑を歩いていると、地元の保育園の子たちが世話してる畑があった。
茎は、他よりも背が低く、花の数は似たようなものだ。
コスモス畑を過ぎて、江戸川の水辺に出てみた。
生い茂った雑草をかき分けて、水辺に近づくと水の色はいつもと違って濁っている。
土手に登って、ひと休みする。
川向こうに見えるスカイツリーが、いつのまにか霞んでいる。
どうも、スカイツリーのあたりは雨が降っているらしい。
そろそろ、帰らないと雨に降られてしまう。
走り始めると、コスモス畑に先ほど気づかなかった石碑が見えた。
戻って、石碑の近くに行ってみた。
石碑の内容は、平成7年から河川敷にコスモス畑を、整備してきたことが述べてあって、その10周年の記念碑だった。
土手の斜面は草が刈ってあって、そこで鳩の群れが何か食べていた。
それが、何に驚いたか、突然飛びったって行った。
いったいなんだったのか、私も驚いた。
走ったり、歩いたりしながら、流山橋まで戻った。
案の定、途中で少し雨に降られた。
それでも、それほど強い降りでもなく、無事車まで戻ることができた。