毎月中旬の頃に、妻の母の入院している病院に行く。
入院費を支払うためである。
妻がいっしょの時もあるし、妻が仕事で出てる時は私一人である。
病院から書類が届くと、また一ヶ月経ってしまったのだなと、思う。
昨年の初めに、コロナ禍になって面会中止になるまでは、毎日面会に行っていた。
歩いて5分とかからないので、午後の面会時間に合わせて出かけていた。
仕事のない自由の身なので、それが日課だった。
それが、昨年の2月から、こんなに近いのに病院へ行くことがなくなった。
病院からは特に、患者の様子などを知らせてくれることはない。
何も連絡がなければ、特に何事もない、ということだと思う。
こちらから、ナースセンターに連絡すれば、患者の様子を教えてはくれるだろう。
それも、迷惑かなと思うと、なかなか連絡もできない。
これが、介護施設であれば、また違う対応かもしれない。
病院である以上、やれることは限られているのだろう
入院患者を持つ家族は、みんな同じ状況なのだ、と思う。
北千住で一人暮らししていた妻の母が、倒れて救急入院したのが、一昨年の夏だった。
容体が安定したということで、我が家の近くの病院に転院した。
考えてみると、88歳の誕生日の一ヶ月くらい前だった。
会話もできなくなっていて、誕生日どころではなかった。
そして、半年くらいで、コロナ騒動である。
面会もできなくなった。
今年の誕生日で、90歳になったはずである。
もう、一年半も面会できていない。
90歳って、すごいよね。
旦那さんは、もう30年も前に亡くなっている。
支払いを終わって、病院を出た。
買い物をして帰ろうと、団地のマーケットに向かう。
病院の隣に公園があって、その一角に、十月桜が咲いていた。
春の桜は、せいぜい咲いているのは、2週間くらいのものだと思うが、十月桜はずっと咲いている気がする。
今が満開なのかなと思うが、一輪、二輪と咲き始めたのは、もう一ヶ月以上前だった気がする。
でも、長く咲いているのは、なんかうれしい。
そういえば、私の母が入院していた時も、この桜が見える南向きの部屋にいたことがあった。
何年前に、なるだろう。
桜の木の下のベンチに、老夫婦が座っていた。
今日は私一人だけど、私と妻も老夫婦なんだな。
あらためて、そう思った。