いろんな風景を見ながら、散歩するのが好きである。
樹木は、とても気になる。
自分が、山に囲まれた所で育ったせいかもしれない。
近所に、山と言えるようなものは、ほとんどないが、林や森はけっこうある。
樹木は、果実のなるのがいい。
今は、柑橘系の果実をつけた樹木をよく見かける。
よその庭の木を見ながら、こんな木が一本欲しいものだと思ったりする。
家族の送りで、朝方車で出かけることが多い。
すると、空が気になる。
青空に、ぽっかり白い雲が浮かんでいると、それだけでうれしくなる。
帰ったら、さっそく写真を撮ろうと、帰ってくる。
そうすると、空の雲はもうまったく変わってしまっている。
空の雲は、ゆったりと優雅に浮かんでいるように見える。
でも、じっと空を見ていると、そうではないことがわかる。
雲は、とんでもない速さで流れていて、どんどん形を変えている。
何分か経っただけで、もう同じ雲は見ることができない。
午後に、夕飯の買い物に出かけた。
ついでに、いつものように近隣センターの図書館分館に寄ることにする。
近隣センターの向かいには、麗澤大学の生涯学習センターという立派なレンガ色の建物がある。
かつては、光ヶ丘団地の3階建ての集合住宅があった所を、団地建て替えの際に麗澤大学が買ったもので、とても敷地の余裕がある施設だ。
この建物の中に、図書館があるということを知って、利用方法を調べたことがある。
大学と関係ない一般者も利用できるということだったが、利用証取得の手続きが面倒そうで、後回しにしていた。
最近になって、手続きしようとしたら、コロナのために一般者の利用は不可ということになっていた。
やっぱり、思いついた時にすぐにやるべきだなあ。
図書館分館で、いつもの読書をする。
「私の家族の明治日本」の第5章「板垣退助とキリスト教」を読む。
宣教師トム・アレクサンダーは、板垣退助のはからいで高知県での布教を進める。
板垣退助は、江戸幕府の支配に組み込まれていた旧弊の仏教や、明治政府の中での神道のあり方に、反対の立場だった。
キリスト教の各派の中でも、トム・アレクサンダーが所属する長老派の組織に民主主義的なものを見い出し、バランスをはかろうとしたのだと思う。
この章を読み終わり、図書館を後にする。
空は、巨大なキャンバスだな、と思う。
空がキャンバスだとしたら、地の色は何色だろう。
白ということはないから、やっぱり、青色かな。
青色もいろいろある。
真っ青な青、水色っぽい青、夜空の青もある。
そのキャンバスに、あれほど多様な雲を誰が描くのか。
八百万の神と言うくらいだから、担当の神様がいるだろう。
などと、馬鹿なことを考える。