私のPCの中には、いろんなファイルでいっぱいだ。
音楽ファイルは、PCを扱うようになってから、CDをファイル化していたが、その後ネットからダウンロードしてものも多い。
写真や動画などの画像ファイルは、自分で撮影したものから、ネットでダウンロードしたものまで、いろんなものがある。
ダウンロードした写真ファイルには、自作の百科事典用に収集したお城の写真や絵画のものが多い。
このようなものは、いろんな研究者のサイトからのもあるし、ウィキペディアの姉妹プロジェクトのサイトでも提供している。
ウィキペディアは、10の姉妹プロジェクトを持っている。
それぞれ、次のような、目的を異にしたプロジェクトを行なっている。
コモンズ(ファイルの集積) MediaWiki(ソフトウェアの開発)
メタウィキ(全プロジェクトの議論) ウィキブックス(教科書や解説書)
ウィキデータ(フリー知識ベース) ウィキニュース(自由なニュース)
ウィキクォート(引用句集) ウィキソース(著作権フリー文書)
ウィキスピシーズ(生物種のディレクトリ) ウィキバーシティ(学習支援)
ウィキボヤージュ(フリー旅行ガイド) ウィキショナリー(多機能辞典)
私が気に入って、よく利用しているのは、「ウイキペディア・コモンズ」と「ウィキリソース」である
その他のプロジェクトについては、おもしろそうなのがあるようだが、私もよくは知ってはいない。
ウィキペディアコモンズは、「自由に使えるメディアファイルを集積する、誰でも参加できるデータベースプロジェクト」となっており、現在80,163,803本というとんでもない量の画像、音声、映像ファイルが集積されているという。
確かに、絵画などの画像ファイルはとても充実していた。
似たようなサイトは他にもあるが、特定の分野だけではなく、広くさまざまなジャンルを対象としているのは、このサイトの他にないかも知れない。
最近よく利用しているのは、ウィキソースである。
このプロジェクトは、「パブリック・ドメイン、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなどのもとで自由に二次利用できる文書(法令、文学作品、歴史資料など)、歌詞、演説文などを収録している」となっていて、日本語版には12,275の資料が収録されている。
ウィキソースは、「歴史」、「宗教」、「数学」、「音楽」、「文学、「法令」、「議会決議」、「演説」に分かれている。
PCの中のテキストファイルを整理していて、歴史書的なものを読みたくなった。
私が、日本史に興味を持ったのは、小学生の時に「義経物語」(よしつねものがたり)を読んだのがきっかけだった。
これは、軍記物語「義経記」(ぎけいき)をもとに、子ども向けに書かれたダイジェスト版だったと思うが、著者名は覚えていない。
そのせいか、私にとっての日本史はこの時代が基準点になってしまっている。
平安後期から鎌倉初期で、そこからさかのぼったり、下ったりしている。
「義経記」は、南北朝時代から室町時代初期に成立したらしいが、他の軍記物語と同様に作者不詳である。
この物語の内容が後世のさまざまな影響与えて、義経やその周辺の人物のイメージはこれに準拠してるようだ。
義経記は次のように、はじまる。
「本朝の昔を尋ぬれば、田村、利仁、将門、純友、保昌、頼光、漢の樊■、張良は武勇と雖も名をのみ聞きて目には見ず。目のあたりに芸を世にほどこし、万ことばがの、目を驚かし給ひしは、下野の左馬頭義朝の末の子、九郎義経とて、我が朝にならびなき名将軍にておはしけり。」
「漢の樊■」は樊■(はんかい)であり、かいは口+會である。
「義経記」の成立時期を考えると、それ以前の鎌倉時代に成立した「平家物語」の影響が大きいようである。
古文の教科書で必ず習った「平家物語」の出だしは、誰でも記憶があるだろう。
「祇薗精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理りを顕す。驕れる人も久しからず、春の夜の夢尚長し。猛き者も終に滅びぬ、偏へに風の前の塵と留らず。遠く異朝を訪へば、秦の趙高、漢の王莽、梁の周異、唐の禄山、是等は皆、旧主先皇の務にも従はず、民間の愁ひ、世の乱れを知らざりしかば、久しからずして滅びにき。近く我が朝を尋ぬれば、承平の将門、天慶に純友、康和の義親、平治に信頼、驕れる心も猛き事も取々にこそ有りけれ(けめ)ども、遂に滅びにき。」
この冒頭からして、「義経記」が「平家物語」の影響を受けていることがわかる。
ところが、「平家物語」は、収録されていない。
「平家物語」とともに、「四部乃合戦書」とされている「保元物語」、「平治物語」、「承久記」も収録されず、外部サイト「国立国会図書館」のリンクだけがある。
しかし、国立国会図書館にあるのは画像データであり、テキストデータではない。
そういうわけで、ウィキソースはかなりムラがある。
これらについては、他のサイトを探さねばならない。
とりあえずは、このサイトになるだろう。
しばらくは、「義経記」を読んでみよう。
今まで、二回ほど読み始めて挫折している。
和綴本で、全八巻のボリュームである。
それが終わったら、四つの軍記物語になるだろう。
でも、「今昔物語」も気になっている。
だいぶ前に、名前は忘れたが誰かの現代語訳を一冊読んでおもしろかった。
今回、テキストサイトを探していて、今昔物語の現代語訳のサイトを見つけてしまったのだ。
今昔物語は、軍記物語ではなく、インドや中国、そして日本の興味深い話を集めている。
今昔物語の研究者のサイトであり、現代語訳とともに解説も掲載されて充実しているようだ。