私は、ジャンルを問わず音楽を聴くので、クラシック音楽も聴く。
シベリウスの交響曲に魅力を感じてクラシック音楽を聴くようになった私は、他の作曲家の作品も聴くようになった。
その頃の日本のクラシック音楽の世界は、誰でも知ってるようなベートーヴェンやモーツァルト、そしてチャイコフスキーなど、いろんなコンサートが開催されていた。
年齢を重ねるにつれて、私が好む音楽は変わってきた。
複雑で、重厚なものから、シンプルで楽器の音色を楽しめるような静かな音楽である。
構えて音楽を聴くというよりも、何かしながら聴き流してることがことが多い。
チェロという楽器の響きが好きなので、そんな曲を選んでいることが多い。
アルビノーニは、モーツァルトよりも100年ほど前のイタリアの作曲家である。
「オーボエ協奏曲」が有名だけれど、そのほかの器楽曲も心地よい。
ボッケリーニは、モーツァルトとほぼ同時代のイタリアの作曲家である。
ボッケリーニ本人がチェロ奏者であったので、チェロ協奏曲やチェロソナタなどを含めて、チェロの作品がとても多く私のお気に入りである。
優美で憂いのある彼の音楽を聴くのは、至福の時間である。
「私にとって死とは、モーツァルトを聴けなくなることだ。」という、有名なことばがある。
アインシュタインが、「死とは何か」という質問をされて、それに対する答えらしい。
物理学者とモーツァルトの組み合わせが、意外だった。
アインシュタインはヴァイオリンが趣味で、弦楽四重奏曲を友人たちと演奏していたそうだ。
私が20代だった頃、モーツァルト没後200年ということで、世の中が騒がしかった。
「アマデウス」という映画が評判になった。
アカデミー賞やゴールデングローブ賞を、いくつも受賞している。
アマデウスというミドルネームが、「神に愛されるもの」という意味だということは、その頃知った。
モーツァルトの名前は、“Wolfgang Amadeus Mozart”となっている。
でも、正確には“Amadeus"ではなく、”Teophillus"であるのを、ラテン語にしたのが、“Amadeus"ということで、モーツァルト自身はイタリア語の”Amadeo"というのが気に入っていたという。
Wolfgangという名は、「wolf+gang」で、「狼+集団」なのだろうか。
不思議であるが、それを言ったら、日本の名前も外国人にとってはおもしろいだろうな。
でも考えてみたら、この映画は観てない気がする。
私が観てたのは、モーツァルトを描いたテレビドラマのシリーズだった記憶がある。
はっきり覚えてなかったので、調べてみた。
「アマデウス」では見つからなかったが、「モーツァルト」で検索したら見つかった。
「モーツァルト」という作品で、日本では、1982年に日本テレビが放送している。
なんと、8時間38分6話構成という伝記映画である。
フランス、ドイツ、イタリア、ハンガリー、ベルギー、スイス、カナダの共同制作となっているので、各国で撮影が行われたのだろう。
その頃、モーツァルトは、あまり聴いたことがなかった。
このドラマでは、モーツァルトのさまざまな作品がちりばめられていた。
モーツァルトの魅力に出会ったと言えるかもしれない。
特に、「協奏交響曲」というのが気に入ってしまった。
繰り返し聴いていた。
それ以前の私は、シベリウスにのめり込んでいた。
東京で行われるコンサートに、出かけたりしていた。
東京には、私が知ってるだけでも七つか八つのプロのオーケストラがあった。
一度だけ、定期会員になったことがあるが、プログラムに自分の名前が出ていて驚いた。
ドヴォルザークやチャイコフスキー、そしてベートーヴェンなどをよく聴いていた。
そして、年末にはベートーヴェンの第九交響曲のコンサートに、友人たちと出かけていた。
考えてみると、バブルの時代だったのかな。
もう、そんなコンサートからは遠ざかってしまっている。
今は、どんな感じになっているのだろうか。