車のカーステレオで、カウント・ベイシーのCDをかけていた。
図書館で借りてきたCDである。
音楽を聴き始めた頃、カウント・ベイシー"Count Basie"はすでにジャズの世界の大御所だった。
そのわりに、ちゃんと聴いたことがない。
曲名を見ても、ほとんど知ってる曲がない。
やっと「ハニーサックル・ローズ」があって、これは知ってるな。
聴きながら、同乗していたやはり音楽好きな息子に、講釈する。
「カウント」は、「伯爵」のことだけど、もっとえらい「公爵」もいて、デューク・エリントン“Duke Ellington"だよ。
どちらも、あだ名らしいけど。
そしたら、そのデューク・エリントンも借りてきて、と言われた。
後日、デューク・エリントンのベストアルバムを借りてきた。
デューク・エリントンは、やっぱり「A列車で行こう」である。
「キャラヴァン」とか、何曲かは聴いた記憶があった。
ついでに、クインシー・ジョーンズ“Quincy Jones"も借りてきたので、かけてみた。
カウント・ベイシーもデューク・エリントンも私の世代よりもかなり前の人であるが、クインシー・ジョーンズは、たしかに、その頃に活躍していた。
マイケル・ジャクソンをプロデュースして、"Thriller"などをやってるので、印象に強く残っている。
先の二人とは、時代もジャンルも違っている。
クインシーという名前も、クイーンとは関係なさそうだ。
そういえば、ビートルズを知ったころ、エリザベス女王から勲章を貰ったとかいって、話題になっていた。
あれは、「騎士」の勲章だったのかと思って、調べてみた。
ビートルズが貰ったのは、「騎士団勲章」という5ランクあるうちの、5番目のランクの「メンバー」(団員)というものだったらしい。
「騎士」と名がつくのは、1番目の「大十字騎士」と2番目の「司令官騎士」だけらしい。
そして、1965年のことなので来日する前年であり、私は小学校6年生だった。
当時のビートルズのメンバーの年齢は、ジョージ22歳、ポール23歳、リンゴとジョンが25歳だったというから、それだけでもニュースだったのだろう。
私でも知ってるような、ニュースだったのだ。
でも、ジョンは何年か後に、勲章を返したんだな。
そのかわり、長生きしたリンゴとポールは、ナイトの称号を授与されている。
侯爵と伯爵のことを話したときに、「こうこうはくしだん」という、貴族の爵位の覚え方を思い出したので、そのことを話したら、息子も知っていた。
そうか、知っているのか。
「こう こう はく し だん」は、「公爵 侯爵 伯爵 子爵 男爵」という爵位の順番である。
教科書には載ってないと思うので、何がきっかけだったのか、興味を持って調べたのだろう。
日本の貴族制度であった「華族」は、戦後昭和22年に廃止されている。
日本には、皇族はあるけれど、華族はなくなっている。
イギリスには、王室があって貴族がいて、国会に貴族院があるのは社会科で習った気がする。
ヨーロッパには、王様がいて王室のある国がいくつかあったと思う。
その国々には、イギリスのように貴族が残っているのだろうか。
日本の華族制度は、明治維新によってその地位を失った大名たちのために、ヨーロッパの貴族制度を手本に作ったのだろう。
その名称については、例によって中国の古典を参考にしたらしい。
夏・周時代の諸侯の階級として、「礼記」の「王制」に、「子は公侯伯子男也」とある。
日本では、何かあると中国の古典を引っ張り出す。
「令和」という元号は、日本の古典だったかな。
イギリスが、階級社会と言われるのは、こういう世襲制のものがいまだに残っているからだろうな。
世の中の流れからしたら、とっくに無くなっていたはずのものだろう。