晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

伯爵と公爵、そして騎士

車のカーステレオで、カウント・ベイシーのCDをかけていた。

図書館で借りてきたCDである。

音楽を聴き始めた頃、カウント・ベイシー"Count Basie"はすでにジャズの世界の大御所だった。

そのわりに、ちゃんと聴いたことがない。

曲名を見ても、ほとんど知ってる曲がない。

やっと「ハニーサックル・ローズ」があって、これは知ってるな。

聴きながら、同乗していたやはり音楽好きな息子に、講釈する。

「カウント」は、「伯爵」のことだけど、もっとえらい「公爵」もいて、デューク・エリントンDuke Ellington"だよ。

どちらも、あだ名らしいけど。

そしたら、そのデューク・エリントンも借りてきて、と言われた。

 

後日、デューク・エリントンのベストアルバムを借りてきた。

デューク・エリントンは、やっぱり「A列車で行こう」である。

「キャラヴァン」とか、何曲かは聴いた記憶があった。

ついでに、クインシー・ジョーンズQuincy Jones"も借りてきたので、かけてみた。

ティービーワンダーのサウンドみたいだな、と息子が言う。

カウント・ベイシーデューク・エリントンも私の世代よりもかなり前の人であるが、クインシー・ジョーンズは、たしかに、その頃に活躍していた。

マイケル・ジャクソンをプロデュースして、"Thriller"などをやってるので、印象に強く残っている。

先の二人とは、時代もジャンルも違っている。

クインシーという名前も、クイーンとは関係なさそうだ。

 

そういえば、ビートルズを知ったころ、エリザベス女王から勲章を貰ったとかいって、話題になっていた。

あれは、「騎士」の勲章だったのかと思って、調べてみた。

ビートルズが貰ったのは、「騎士団勲章」という5ランクあるうちの、5番目のランクの「メンバー」(団員)というものだったらしい。

「騎士」と名がつくのは、1番目の「大十字騎士」と2番目の「司令官騎士」だけらしい。

そして、1965年のことなので来日する前年であり、私は小学校6年生だった。

当時のビートルズのメンバーの年齢は、ジョージ22歳、ポール23歳、リンゴとジョンが25歳だったというから、それだけでもニュースだったのだろう。

私でも知ってるような、ニュースだったのだ。

でも、ジョンは何年か後に、勲章を返したんだな。

そのかわり、長生きしたリンゴとポールは、ナイトの称号を授与されている。

 

侯爵と伯爵のことを話したときに、「こうこうはくしだん」という、貴族の爵位の覚え方を思い出したので、そのことを話したら、息子も知っていた。

そうか、知っているのか。

「こう こう はく し だん」は、「公爵 侯爵 伯爵 子爵 男爵」という爵位の順番である。

教科書には載ってないと思うので、何がきっかけだったのか、興味を持って調べたのだろう。

日本の貴族制度であった「華族」は、戦後昭和22年に廃止されている。

日本には、皇族はあるけれど、華族はなくなっている。

イギリスには、王室があって貴族がいて、国会に貴族院があるのは社会科で習った気がする。

ヨーロッパには、王様がいて王室のある国がいくつかあったと思う。

その国々には、イギリスのように貴族が残っているのだろうか。

 

日本の華族制度は、明治維新によってその地位を失った大名たちのために、ヨーロッパの貴族制度を手本に作ったのだろう。

その名称については、例によって中国の古典を参考にしたらしい。

夏・周時代の諸侯の階級として、「礼記」の「王制」に、「子は公侯伯子男也」とある。

日本では、何かあると中国の古典を引っ張り出す。

「令和」という元号は、日本の古典だったかな。

イギリスが、階級社会と言われるのは、こういう世襲制のものがいまだに残っているからだろうな。

世の中の流れからしたら、とっくに無くなっていたはずのものだろう。

 

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