いつからか、アルビノーニとボッケリーニがお気に入りの音楽家になっていた。
だいたい、このふたりを交互に聴いている。
もともとは、私のお気に入りはシベリウスだった。
けれども、シベリウスはけっこう重厚である。
もっと気楽に、音楽を聴きたくなっていた。
アルビノーニは17世紀のヴェネツィアのヴァイオリニストであり作曲家である。
名前は、正確にはトマゾ・ジョヴァンニ・アルビノーニ(Tomaso Giovanni Albinoni)である。
ボッケリーニは、18世紀のトスカーナ大公国のチェロ奏者であり作曲家であった。
名前は、リドルフォ・ルイジ・ボッケリーニ(Ridolfo Luigi Boccherini)だ。
私は、音楽も好きだが、姓名とか地名についても、とても興味がある。
なので、この二人の名前を見て、ジョバンニもルイジもどっかで見たことがあると思った。
ジョバンニは宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」だし、ルイジはディズニーのドナルドダックじゃなかったかな。
西洋人の名前が、国によって同じ名前が違った呼ばれ方をするというのは聞いたことがあったので、調べてみた。
かつて使ったことのあるサイトを探した。
サイト名は、「怪しい」となっているが、内容はいたって真面目ですばらしいものである。
ヨーロッパのことばは、大きく分けてゲルマン語族、ラテン語族、ケルト語族、ギリシャ語族、スラブ語族、フイン・ウゴル語族などに分類されるらしい。
英語はゲルマン語族であり、イタリア語はラテン語族である。
ジョバンニ(Giovannni)を調べて、おどろいた。
ジョバンニは、英語でジョン(John)なのだ。
ドイツ語のヨハン(Johan)や、フランス語のジャン(Jean)、スペイン語のフアン(Juan)は、綴りからなんとなくわかる。
でも、スコットランド語のイアン(Ian)やロシア語のイワン(Ivan)などは、よく目にする名前だが、これがみんな同じとは思わなかった。
次に、ルイジ(Luigi)を調べた。
英語では、ルイス(Lewis)であり、フランス語でルイ(Louis)である。
しかし、ドイツ語ではルードヴィッヒ(Ludwig)となる。
さらに、異性形として女性用の名前が生まれている。
たとえば、ルイサ(Luisa)、ルー(Lou),ルル(Lulu)などがあり、おもしろい。
テレビのニュース番組では、ウクライナ問題を取り上げている。
ウクライナ大統領のウォロディミル・オレクサンドロヴィチ・ゼレンスキー(Volodymyr Oleksandrovych Zelenskyy )とロシア大統領のウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン(Vladimir Vladimirovich Putin)については、毎日のようにその姿を見ている。
二人の名前のウォロディミルとウラジーミルは、ウクライナ語とロシア語で表記が違うだけで、同じ名前らしい。
私にとっては、「ウラジミール」という名前は、20代の頃にクラシックを聴き始めた頃、世界的なピアニストであったウラジミール・アシュケナージのものである。
彼は、ユダヤ系のロシア人だった。
その後、指揮者としても活躍し、日本の音楽大学の教授も務めたらしい。
今は、スイスに住んでるのだろうか。
そして、アメリカ大統領ジョー・バイデンであるが、正確にはジョセフ・ロビネット・バイデン・ジュニア(Joseph Robinette Biden Jr.)ということである。
ジョセフ(Joseph)は、スペイン語でホセ(Jose)である。
私のお気に入りの歌手ホセ・フェリシアーノ(Jose Feliciano)は、プエルトリコ系だったので、スペイン語だったのだろう。
しかし、おどろいたのはイタリア語だとジュゼッペ(Guseppe)になることだ。
ジュゼッペといったら、「ピノキオ」の「ジュセッペじいさん」である。
ヨーロッパの言語は、それぞれに大きく違っているように思われるのに、名前については共通したものが多いようだ。
それは、キリスト教の浸透によって、キリスト教の聖人の名前を命名しようとしたことから来るのだろう。
ヘブライ語由来のものがどのくらいあるかは、わからないがそのあたりを調べるとおもしろいだろうな。