「ウィズ・コロナ」ということなのだろう、日々の生活はそれまでの通常なものに戻りつつある。
Yahoo!のホーム画面に、コロナの発生情報が毎日載っている。
昨日のコロナ感染者は、全国で11万8千人で、このところ10万人を越える日が多い。
死亡者だって、このところしばらく何十人という感じだったけど、昨日は146人となっていて、ぐっと増えている。
でも、もう誰も驚かないし、ニュースでも大きく取り上げない。
これが、昨年とか、一昨年だったら、大騒ぎになっていただろう。
考えてみたら、三年前の今頃、「中国で変な伝染病が流行ってるらしい。」というネット記事を読んだのだ。
まさか、こんなことになるとは、思ってなかったな。
世界のコロナ感染状況が気になっていた頃に、それが一目でわかるようなウェブサイトがないだろうかと探した。
そして、「コロナボード」というサイトを見つけた。
画面の表示が、英語、中国語、韓国語、日本語と切り替えられる。
韓国の方が運営しているサイトらしいが、とてもわかりやすいので、ときどき見ていた。
感染者数、死亡者数、人口数も表示できて、その項目の数字順に並び替えることもできる。
久しぶりに見た世界の状況は、こんなものだった。
これは、感染者数順に並べたものである。
世界で、最も感染者の多い国はアメリカで、一億人を越えていて、死者は110万人である。
続く2位は、インドで4400万人台で、死者53万人である。
画面を見ていて、ふと思った。
インドの人口13億人って、こんなに多かったかな。
私の記憶は、世界人口30億人と言われてた小学生時代で止まってるのだ。
あの頃は、中国7億、インド5億くらいだったよなあ。
今は、世界人口80億だったかな。
じゃあ、中国はどうなってんだと思ったが、画面にはない。
画面を下にスクロールして、やっと見つけた
なんと、103位で感染者数30万人で、ボツワナとルクセンブルグの間にあった。
人口は、14億で、死者数5200人台である。
いくらなんでも、これはどう考えても、数字的に間違っている気がする。
そこで、データを人口順に並べ替えた。
それほど人口が違わないインドと中国の感染者数や死者数が、一桁どころか、二桁も違う。
人口が、1億を越える他の国々と比べても、桁違いに感染者数、死者数が少ない。
そんなことが、ありえるだろうか。
このサイトは、民間運営のものなので、やはり公的なサイトも確認する必要がある。
そこで、元締めである「世界保健機構」(WHO)のサイトを探す。
WHOのサイトは、英語表示しかできず、データの並び替えもできない。
世界の総感染者数6億3000万人、総死者数660万人になっていた。
データは、だいたい「コロナボード」と同様であるが、中国についてのデータは違っていた。
このサイトのデータのよれば、中国の感染者数956万人、死者数3万人であり、「コロナボード」のデータよりも多くなっている。
これは、WHOのデータなので、公式なものである。
それでも、中国の14億人という人口を考えると、この感染者数と死者数はとんでもなく、少ないと思う。
どうしてこういうことになっているのか、検証する必要があるだろう。
この一覧表を見ていて思うのは、国や地域によって感染者数や死者数に、偏りがあるのである。
それぞれの国は、置かれている状況が違っている。
日本やイギリスなどの島国もあるし、ヨーロッパのようにEUという組織によって人間の出入りの緩やかな国々もある。
防疫体制や感染検査の違いによって、大きな違いが出ているのではないかという気もする。
アメリカは、3億人を越える人口で、感染者は1億人前後なので、感染率は3割ぐらいである。
韓国は、人口は日本の半分以下の5100万人であるが、感染者数は日本より多い2700万人ほどであり、感染率は5割を越える。
日本は、1億2000万人を越える人口で、感染者は韓国より少ない2400万人で、感染率は2割弱である。
たぶんこの差は、PCR検査数が少なかった日本では、発症しなかった感染者が見逃されているのだろう。
ヨーロッパの国々は、ほとんどが日本よりはるかに少ない人口であるのに、感染者数は日本と同じくらいかもっと多い。
ここで、中国の状況を考えてみる。
中国の感染者数965万人は、人口14億人の1%にも満たない0.7%弱である。
他の国々を見ても、こんなに感染率の低い国はない。
中国は、徹底した「ゼロコロナ政策」で、感染者が発生すると、施設や住宅を封鎖しているようだ。
それにしても、これがその政策の成果だとしたら、信じられないような事態だと思うが、メディアや総元締めのWHOもこの事実を大きく取り上げていないような気がする。
もしも、中国のこの数字が事実と異なっていて、手を加えて修正したものだったら、それはそれで重大な問題である。
いづれにしても、とても大きな問題だと思うのだが、まったく問題として扱われていない。
それが、私が「世にも不思議な話」と思うことである。