コロナ療養中である。
ついに我が家にも、コロナがやって来てしまった。
パートから帰ってきた妻が発熱し、苦しそうだった。
かかりつけの病院に連絡したら、コロナ用の発熱外来に来るように指示された。
病院の裏にある救急医療の入り口のさらに裏側に、プレハブの診察室の隣には、CT検査室もできていた。
血液検査や尿検査など5種類の検査を手際よく受けた。
結果が出るのに一時間近く、かかるので診察室のベッドで待っていた。
コロナ感染の検査の結果は、陽性だった。
妻は、毎月検査と薬剤を必要とする持病を持っている。
即入院することになった。
入院はたいへんだけど、家族としてはその方が安心である。
コロナ病棟の受け入れ準備ができるまでは、車で待っていた。
妻は、後部座席で横になっている。
4階のフロアが、コロナ専用病棟になっているらしい。
看護師さんが車椅子を押して、迎えにきた。
よく見かけるビニールで覆われたベビーカーの車椅子版といったところだ。
外気から完全に遮断されている。
コロナ病棟は家族の面会不可なので、車椅子の妻を見送った。
妻は、今までに何回か入院している。
ひと月から二ヶ月くらいで、無菌病室のようなところにいたこともある。
すでに定年退職していた私は、毎日日課のように見舞いに通っていた。
それでも、面会ができないということはなかった。
それを考えると、「コロナ」はとんでもないものだ。
入院中の妻の母は、もう3年近くも面会できていない。
3年?、確かに2年ではなく3年になるのだ。
家族は、回復するのを待っているしかない。
わが家は、三男と三人家族である。
私と三男は、濃厚接触者ということになる。
離れて暮らしている二男も、入院の直前に帰っていて二日間滞在していた。
やはり、濃厚接触者となるのだろう。
フリーな身の上である私と違って、二人は仕事がある。
自宅で待機しなければならない。
柏市は市独自事業で、濃厚接触者のためのPCR検査を無料で実施している。
さっそく、ネットで申し込む。
市立体育館の裏の駐車場で、ドライブスルーの検査だ。
駐車場に止めると、係員が唾液を入れる容器を持ってきた。
先の尖った容器に1センチくらい溜めるのに、10分くらいかかった。
終わったら、車のハザードランプを点滅させる。
すると、係員が容器を回収に来る。
結果は翌日中に、陽性は電話で、陰性はメールで知らせてくれる。
私は陽性、三男は陰性だった。
この時点では、二人とも平熱で症状はない。
さらに翌日、平熱36.5℃の私が、36.9℃という微熱になって、のどがイガイガして咳が出る。
微熱は二日間だけで、すぐに平熱に戻った。
私と入れ替わるように、陰性だった三男が発熱し咳が出始めた。
熱は38.3℃くらいが二日続いたが、その後平熱に戻った。
近所のかかりつけ病院に連絡したが、発熱外来はお年寄りで基礎疾患がある、病状が重い人しか受け入れないようで、あきらめる。
ネットを調べて、千葉県が提供している無料PCR検査キットを送ってもらう。
私の方は、陽性が判明した時点で、厚生省のMy HER-SYSというシステムに登録されている。
自動登録の4条件のうちの、65歳以上だからだ。
すぐに、“Pulse Oximeter"という酸素量検査器が送られてきた。
毎日、体温、酸素量、それに顔色、咳など病状についての9項目を報告する。
入院中の妻とは、電話やメールで連絡している。
入院の翌日に、三回分の着替えなどを届けた。
電話で病棟に連絡すると、かかりのかたが駐車場まで取りに来てくれる。
荷物は届けるだけで、洗濯物を持ち帰ることはできない。
病棟内で洗濯してくれるということだ。
10日の入院と言われていたので、もうすぐ退院できると思う。
体調がよくなった妻は、退屈しているようで、テレも飽きたと言ってる。
多分、今日の診察で退院できるか判断するのだろう。
私の場合、病状はとても軽いものだった。
ちょっと風邪っぽいかな、という程度だった。
五回目のワクチン接種が終わっているので、そのおかげかも知れない。
妻の陽性がわかったので、PCR検査したので感染がわかった。
もしそれがなかったら、何事もなくすんでしまったと思う。
コロナ感染者のうち、発症するのはそれほど高い割合ではないだろうから、自覚せずに生活する人が多くいるのが、現実だろう。
こんな状況が、いつまで続くのだろうか。