菅江真澄という人を知って、すぐに菅江真澄に関する書籍を探して何冊か手に入れた。
いろいろな視点から、彼の漂泊の人生を描いていた。
私は、江戸時代にこのような人生を送った人間が存在したことが信じられない気がした。
三河で育った人間にとつて、彼が旅した、越後、出羽、津軽、南部、そして蝦夷地は、異国だったろう。
そして、その異国で生を終える。
異国の今まで見たことのないものを見てみたいという気持ちはわかる気がする。
それを人に伝えたいという気持ちも。
しかし彼は、故郷に帰っていないようなのだ。
いつたい、どういうことなのだろう。
菅江真澄というひとを身近に感じていたくて、未来社の「菅江真澄全集」を手に入れた。
第一巻の奥付を見ると、1971年第一刷発行、1981年第三刷発行となっている。
編者の内田武志氏が1980年に、宮本常一氏が1981年に相次いで亡くなっている。
私は、全集を読むことを自分のライフワークにしようと思っていた。
その後、PCの時代になり、PCやPDAでテキストが読めるようになった。
真澄もテキスト化すれば手軽にいつでも読めると思いついた。
それで、全集のテキスト化を少しずつやってきた。
スキャナーとOCRソフトを使ってもかなりたいへんな作業になる。
古い漢字などは、いろいろと難しい問題がある。
私は専門的知識がないので解決できないこともある。しかし、あくまでも自分が使うためと思ってやつてきた。
江戸時代の著作については、松尾芭蕉のようにメジャーな人ならネットを探すと原文テキストがみつかる。
しかし、菅江真澄については、私がやってみた限りではみつからなかった。
菅江真澄の文章を読もうとすると、全集のほかにはもっとコンパクトな平凡社の 東洋文庫「菅江真澄遊覧記」シリーズと平凡社ライブラリー「菅江真澄遊覧記」シリーズがあるが、かなり昔に出版されたものなのでどちらも在庫なしの状態である。
そして、真澄の文章そのものではなく、現代文訳である。東洋文庫シリーズには、オンデマンドというのがあるが、注文製作なので価格が3倍近くになる。
そこで、私がテキスト化したものを、「菅江真澄テキスト」というかたちで、このブログに載せようと思う。
菅江真澄に関心あるかたが、真澄はこんな文章を書いていたということを手軽に知ってもらえればいいと思う。
学術的なものではないことを、了承ください。
編者の著作権を考慮し、編者が加筆した文は削除して、原文のみにしています。
削除したのは、主に、現在の市町村名や地名、西暦年です。
そして、編者による補注である。
真澄のように一つの文が長い場合には、改行が多いほうが読みやすいようなので、読点で改行するようにした。