本
二十日 けふは磐井ノ郡平泉ノ郷(サト)なる常行堂に摩多羅神の祭見ンとて、宿の良道なンどにいざなはれて徳岡の上野を出て、はや外(ト)は春めきたりなンど語らひもて行ク。 遠かたの田ノ面の雪の中にこゝらたてならべたる鶴形(ツルガタ)は、まことにあ…
購読リストに読者登録してあるブログを読んでいた。 私が読者登録してあるブログは、かなりの数ある気がするが、どこを見れば自分が登録してあるブログの一覧が見れるのかわからない。 もちろん、自分のブログの読者一覧を見るのはわかる。 「歴ログ-世界史…
白粉(シロイモ)の、さはにあらねば、近き世には山より白土(シラツチ)を掘り来(キ)て、三四日(ミカヨカ)も前日(サキツヒ)より、花白物(オシロイ)よ/\と肆(イチ)にうりもてありくを買ひ、水に解(トカシ)たくはひおきて是を塗(ヌ)る也。 む…
十二日 つとめて、小雪ふりていと寒し。 午うち過るころより若男等(ワカヲラ)あまた、肩(カタ)と腰とに「けんだい」とて、稲藁(ワラ)もて編(アメ)る蓑衣(ミノ)の如なるものを着(キ)て藁笠(ワラガサ)をかヾふり、さゝやかなる鳴子いくつも胸(ム…
夕づゝのかゆきかくゆきゆきくさまくら旅にしあればそことさだめず 雲ばなれ遠き国方(クニベ)にさそらへありき、ことしもくれて、みちのくの胆沢(イサワ)ノ郡駒形(コマガタ)ノ荘(サウ)ころもが関のこなた、徳岡(トクオカ)(胆沢郡胆沢村)という里…
「かすむこまかた」は、天明6年(1786年)正月から2月にかけての日記である。 菅江真澄は、陸奥国仙台領胆沢郡前沢駒形で正月を迎えている。 天明3年春に、故郷の三河を離れて旅に出た菅江真澄にとっては、旅の途上の三回目の正月である。 天明4年は、信濃国東…
これは、私の日本の歴史の勉強のための覚書です。調べたこと、考えたことを書きとめてます。 令制国というものに興味があって、気が向けば調べたりしています。 近所の市立図書館分館で、久しぶりに本を借りた。 「事典 日本古代の道と駅」という書籍だが、…
廿八日 あるじにいざなはれて、阿部(安倍)のふる館のあと見にとて行ぬ。 加志といふ処に、黒沢尻四郎政任のありしいにしへを偲ぶ。 北上河をへだてて、国見山のいとよく見やられたり。 国見てふ名はところ/″\に聞えたり。 神武の帝八十梟を国見丘に撃給ふ…
十日大瀬河(石鳥谷町)といふに土橋かけたるを渡る。 この流は藤原朝臣盛方の、 「ほどもなくながれぞとまる逢瀬河かはるこゝろやゐせきなるらん」 とながめ給ひしは、これと、もはらいへり。 八幡(ヤハタ)(石鳥谷町)を過て宮部(花巻市)をくれば、花巻とい…
ここ数週間、浮世絵関係のサイトを、まるごと電子書籍に変換するということをやっていた。 かなり膨大なファイル数で構成されているサイトなので、やはり思ったよりも時間がかかった。 ひとつは、「浮世絵文献資料館」である。 その名のとおり、浮世絵につい…
八日つとめて寺林(岩手郡玉山村)、河口(岩手町)をへて、巻堀(玉山村)といふ村に斎ふ金勢大明神といふかん籬あり。 こは名にたかふ、石の雄元の形あまた祠にをさめたるはいかにととふに、近きころ盗人とりうせたるを、もとめいだし奉りてのちは、此里のこと処…
ボブディランが、「時代は変わる」という曲を作ったのは、1964年だそうだ。 私は、その曲をサイモンとガーファンクルの歌で聴いた。 サイモンとガーファンクルは、同じ1964年の自分たちのデビューアルバムで、この曲をカバーしている。 私が初めて聴いたのは…
先日、「どんなににんきのあるものでも寿命はある」という記事を書いた。 朝、公開して一時間後くらいに読み直そうと開いたら、記事の内容が消えていた。 文章を削除した記憶はないので、調べてみたがバックアップもなく、どうしようもなかった。 とりあえず…
五日 とのしらみゆけば、女戸おし明て、こは水霜〔露をしかいふなり〕しろ霜まじりふりたりとて、真柴折くべ物にるにあたりて、出たつよそひす。 けふは末の松山見にいかんとおもひて、とく/\と出ぬ。 梨木坂のこなたよりは二戸郡といへり。 保登(戸)沢…
二日 朝たつ。 をりしも恵音ほつし(法師)、とよりさしのぞき、又いつかなどいへるに、 昨日来てけふの細布たちさらばむねのひがたき別ならまし とて、やを出て、小豆沢村(鹿角郡八幡平村)になれば、いかめしき大日如来の堂あり。 そのゆへは、そのかみ田…
スマホで、「銭形平次捕物控」を読んでいた。 何かの拍子で、縦書き表示だったのが、横書きになってしまった。 どこかさわってしまったらしいが、どうすれば戻せるのかわからないので、そのまま読んでいた。 スマホの縦長の画面で、横書きの文書を読むのはな…
鶴田村(花輪町)の辺になみだ河といふめるは、あはぬ夜毎/\を根み、ながるゝなみだの顔をあらひたるより川の名におへりとも、又いつまで世にすみありつとも、あがおもふ女を見ることこそかたからめとや思ひけん、深き林に入て此男くびれ死けり。 又、その…
私の住む柏市の市立図書館が、電子図書館のサイトを開設した。 そんな噂は聞いていたのだが、サイトをチェックしていなかった。 今年の1月24日から、サービスを開始していた。 なるほど、こんな感じである。 柏市の電子図書館 web.d-library.jp 検索ワードを…
天明五年(一七五八)の秋、つがろじをへて南陪の鹿角郡になりて錦木のむかしを尋ね、岩手郡、和賀郡を過て仙台路にかゝり、江刺郡に片岡邑に宿りたるまでをかいのせたり。 其言葉みじかういひもたらされば、《けふのせはのゝ》と名づく。 (天明五年―一七八…
私にとって何度目かの「電子書籍ブーム」が訪れている。 今までため込んでいた歴史書や古典文学などのテキストを、パソコンやタブレットで読めるように、電子書籍に変換している。 きっかけは、「吾妻鏡」である。 このブログに、「令制国」のことを書いてい…
愛用しているノートパソコンを、Windows11にしてみた。 数年前に、Windows8からWindows10にアップグレードしたものである。 パソコンの調子がおかしいと、初期化するようにしていた。 だいたいは、いつものアプリが立ち上がらないというようなことだが、初期…
津軽から矢立峠を越えて、秋田藩に入り大館の街を通り、山中の沢尻という宿で、「そとがはまかぜ」の日記は終わっている。 大館は、私の郷里であるが、天明5年(1785年)というから250年も前に、菅江真澄が通り過ぎたと思うと、感慨深いものがある。 大館は、…
廿二日 あさとく、せきて(関手形)わたして越たり。 このあたりの郡はいかにととへど、しらじ、たヾ白河庄とのみいらふ。 みちの左右に白糸滝、登滝、無音滝、日暮し滝、二見滝、折橋の番処を右の沢へおりて温泉あり、鬼湯なり、大人の入湯の故事。 銀山あ…
図書館で借りた本の返却日が迫っている。 どうしても手元に残しておきたい本を、画像ファイルで残すことにした。 なんと暇なことをやるのだろうと自分でも思うが、確かに暇はあるのである。 テーブルにスキャナーを持ち出して、ページを開いてはセットし、ス…
どうしても読みたい本があったので、図書館で借りることにした。 自宅の近所に柏市の図書館の分館はあるが、分館の蔵書にはないようなので、本館まで出かけることにする。 本館までは、歩けば1時間ほどなので、運動にはちょうどいいのだが、自転車で出かける…
十六日 あるじ行徳の云、みちのこゝろは露も思ひはなれずよなど、まめやがに聞えて、 立帰る雲措は遠く隔ともこゝろを渡せ天のうきはし 寄るなみのたち帰るも絶ずたゞ三河の水の音信てまし となんありける、ふたくさの返し。 雲井路をたちへだつとも忘れずよ…
私の手元にある「菅江真澄全集」は、1981年に「未来社」が刊行したもので、第三刷である。 しかし、第一刷は1971年に出ている。 奥付を見ると、第一巻の定価は6500円であり、全巻十四巻を揃えるといい金額になった。 菅江真澄は、それほど知られた人物ではな…
十二日 川ひとつわたりて百田邑(弘前市)を過て、名によぶ津軽野に出たり。 いまはつがのといひ、村あり、つが野邑といへり。 「みちのくのつがろの野辺の萩盛こやにしき木をたつるなるらん」 大久保(以下弘前市)、撫牛、堅田、和徳、広崎(弘前)の里に…
八日 又牛島に至り川におりたち、こなたかなたとあさせもとむれど、水とふかければ身もうき、足もながれ、すべなければ岸辺にあがり休らふを旅人二人来て、われ、さいだちて瀬ふみしてん、つゞきたまヘ。 たか石をふんであまち侍るな、流に隋ひてわたりてよ…
南米の国で、日本のアニメの登場人物の名前を、自分の子どもに名付ける人が多いという記事を読んだ。 日本のアニメやマンガは、世界中で放送されたり、読まれたりしているということは聞く。 日本で作られたものだと知らずに、見ていたりして、日本のものだ…