晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

くめじのはし① 菅江真澄テキスト

(序文) 天明四とせ(二七八四)の甲辰の夏、六月三十日旧洗馬村をたちて、越のうしろ洲に行とて、清水の里、桐原のまき、つかまのみゆ、などを見めぐりて、水内の郡に到りて曲橋(この橋を久米路の橋といへり伊那の郡にも同名聞こえたり)を渡りて、この冊…

くめじのはし  菅江真澄テキスト

天明4年6月末、真澄はみちのくをめざして信濃国東筑摩郡洗馬村を出発し、長野を経て上水内郡を通過し、7月末に北国街道から越後に入る。 「くめじのはし」(久米路の橋)は、このあいだの日記である。 日記の序文にあるように、「くめじのはし」という題名は、…

菅江真澄の足跡

菅江真澄は、天明8年(1783年)に、30歳で郷里三河を旅立っている。 そして、それから46年後の文政12年(1829年)に、秋田にてその生涯を終える。 菅江真澄は、その間に多くの著作を残している。 その紀行文、又は日記にはやはり多くの図絵を含んでいて、私たち…

すわのうみ⑨ 菅江真澄テキスト

此月の廿日 沓沢といふ澗かげを行に、 わきて来る人こそなけれくつ沢の水音高し五月雨の頃 小野沢てふ郷の、三村親意がやをとぶらへば、つねにすむやをはなりて、ちいさやかなる庵つくりて、南おもての庭に秋の虫をすすひつべく、まうけしたり。 こゝろにや…

すわのうみ⑧ 菅江真澄テキスト

廿八日 けふも萩原氏がやにせる。 あるじの云、われ遠つおやより持つたへ侍る、後水尾院第八の宮かゝせ給ふとて、扇のかたひらに歌六ツめでたき手にてかき給ひし、まことにかくやなど、あまたあふぎてずんずれば、なみだこぼれて、人々もことばなく、此御う…

すわのうみ⑦ 菅江真澄テキスト

廿五日 やをいづ。 むまやのをさなる根沢なにがしがやに、しばらく尻かたげしてものかたらふに、あが遠つおやは甚平といひてたけきものゝふにてありつる世に、君の御鷹それ行たるをあやいづこまでもと追めぐりて、みのゝ国の山中にていきつきはてゝ、たヾ空…

すわのうみ⑥ 菅江真澄テキスト

十四日 いなの郡にまからんとて、重栄のうしとかねてものして、午一ばかりに床尾をたちて、塩尻の里にいたりて、こゝなる治英がやをとぶらへば、梶原景富あり給ひて、やまとふみよみ給ふといへば、こよひはこゝにあかして、明るあしたわかるゝとて、景富のう…

ナタ漬けといぶりがっこ

私が育った秋田県は、塩分摂取量が多いといわれる。 料理の味付けが特に濃いとも思わない。 やっぱり、漬け物を多く食べるからだろうか。 秋田には、いろんな漬物があるらしい。 あるらしいというのは、秋田でも地域で違ってくるからである。 かつて、秋田か…

すわのうみ⑤ 菅江真澄テキスト

長殿よりは四人めのしもとやらん、山吹の袂なるが、ゆだすきかけて待居給へば、上下きたる男、藤刀といふもの、ちいさき御錦の?より取出して、ぬきはなちてそお長殿にわたす。 長殿とりて、山吹色なるそうぞくしたる祝にわたす。 そのかたなを、柱のうへにお…

日本酒について考えてみた

日本酒のことを考えていると、どうしてもわからない問題が出てくる。 一つ目は、醸造用アルコールを添加するということ。 二つ目は、日本酒についての酒税と値段がどうなっているか。 このようになってるらしいというのはわかるが、なぜそうなってるかがわか…

すわのうみ④ 菅江真澄テキスト

三月六日 けふは酉の日なりければ、須輪の御かんわざにまうでんとて出ぬ。 阿礼の御社を拝み奉りて行に、みかきのはな盛すぐるをかへり見やりて、 今しばしとゞめてあれのみしめなはゆふがひもなき花のはる風 かくて塩尻にくれば、花の木いくもとも立ならび…

「あおり」運転に遭遇した

普通に車を運転していたら、後ろから「ピー」という大きな音が聞こえた。 警笛らしかったので、何があったのだろうと、思った。 主要道路で交通量が多いのに、路肩がほとんどない。 車線自体もかなり狭い上に、対向車線の車も切れない。 それなのに、自転車…

大館 秋田犬 曲げわっぱ きりたんぽ

テレビをつけて、夕食を作っていた。 テレビから「大館」ということばが聞こえたので、急いでテレビの前に行った。 フィギュアスケートのザギトワさんが、秋田犬とたわむれていた。 彼女の愛犬「マサル」の故郷を、訪ねたというニュースだった。 そして、「…

すわのうみ③ 菅江真澄テキスト

廿八日 直堅がやに、洞月上人はなの歌よませ給ふけるを見て、 世中はまだき盛にいとはやも人のことばのはなににほへる としごとの春鶯きたれば、まづ人とりてこにいれなどすれど、此春はおのがまゝにきなくなど、あるじのかたりければ、 雲をこふうらみもあ…

思えば遠くへ来たもんだ

C.W.ニコルさんが、昨年亡くなって1年になるそうだ。 ニコルさんのことは、テレビで見かけるだけだったのであまり知らない。 自然保護の活動をしていて、黒姫山のふもとに住んでいる。 あとは、やさしそうな笑顔と、おだやかな語り口である。 生まれ育った…

「ほめる文化」と「けなす文化」

先日、サンドイッチマンについての文章を書いたときに、「東北には、けなす文化はない」と書いた。 あとになって、ほんとにそれでよかったのか、とちょっと心配になった。 私が、秋田で暮らしていたのは18才までである。 思い込みとか、勘違いがあるんじゃな…

すわのうみ ② 菅江真澄テキスト

甘二日 今井のむらにまかりて、権正兼遠住給ひし昔の跡とて、馬場から堀筑山のかた斗のこれり。 今井四郎兼平も此あたりにて生れ給ひしとなん。 いまは、かねひら明神とあがめ奉る。 それより宝輪寺にまかりて、尊応法印にまみへ奉りぬ。 通夜、うたよみ物語…

ルールと危機管理のこと

日本人は、交通ルールをよく守るとかいうけど、日々生活していると、そうでもないんじゃないか、と思うことが多い。 ルールをよく守るって言ったって、100%というわけじゃない、比較的ということである。 全てにおいてそうだと思うが、物事の実態を考えたら…

山歩き こわかった話

山歩きをしていると、山小屋に泊まることになる。 山小屋といっても、ピンからキリまでいろいろである。 私の経験は、東日本の山に限られる。 北アルプスの山小屋は、場所によっては、個室もあるし、生ビールも飲める。 すばらしい風景を前にして、生ビール…

日本酒は世界で飲まれるようになると思う

先日、日本酒には純米酒とそうではないのがあるということを書いた。 毎日、日本酒を飲んでいるうちに、考えることがあった。 日本酒は、世界で飲まれるようになって、定着する可能性が充分にあるのではないか。 その理由は、日本酒と競合するものが少ないと…

すわのうみ ① 菅江真澄テキスト

睦月十五日、諏訪のみやしろの筒粥の御かんわざにもうでんとて、丑のくだちにおきて出行。 かくて、汐尻に来けり。 大なる木の高きを、道中に立たり。 そがうれには、いろ/\の紙もてしできりかけ、しろ紅のはちじやう紙に、はたがみの小帒そへて付たり。 …

すわのうみ  菅江真澄テキスト

天明4年(1784年)1月から5月までの日記である。 菅江真澄は、前年天明3年2月末に故郷三河を出発し、信濃国に入り東筑摩郡洗馬村の医師可児永通宅に滞留していた。 天明3年の日記は、「いなのなかにち」と「わかこころ」におさめられている。 この年も、引き続…

旅をする人たち

旅や旅行というのは、見物・保養・調査などの目的のために、居所を離れてよそのよその土地へ行くこと、だそうだ。 辞書によっては、「ひととき」とか「一時的に」という言葉が入っているものもある。 つまり、一定の居所があることが前提で、そこを離れてよ…

わかこゝろ⑦ 菅江真澄テキスト

いくとせかこゝろにかけて姨捨のやまにこよひぞ見つる月かげ 僧洞 月 あくがれてをばすて山にみる月のくまなきかげやよもにめづらん 永 通 名にたかき姨捨山にこよひみん月のむしろにまどゐあかして 啓 基 をば捨の山のまどゐに見る月のさやけきそらにかたる…

セピア色の風景

数年前に、母が亡くなった。 父は、もう30年くらい前に亡くなっている。 アルバムのようなものを作ろうとして、二人の写真を整理してきた。 ほとんどは、スキャンしてデータ化した。 ところが、二人の若い頃の写真がほとんど残っていない。 たしか、黒い台紙…

富士山とその仲間たち

富士山には、登ったことがない。 これからも、登らないような気がする。 私は、どちらかと言うと緑に覆われたような山が好きだ。 そういうところで育って、登り始めたのもそんな山だったからかも知れない。 富士山の登山道は、ほんとに何にもないようだ。 日…

空中写真で町を見る 航空写真と衛星写真

私がパソコンを使い始めた時、Windowsはバージョン3.1だった。 ヤフージャパンは、1996年から始まったということである。 WindowsをWindows95にバージョンアップしたそのころから、Yahoo!を検索サイトとして使ってきた。 だいぶ前に、Yahoo!の検索エンジンは…

日本旅行記、訪問記、滞在記の類いについて③

我孫子市立図書館で借りた4冊のうちの残り2冊を読んでみた。 いずれも、講談社学術文庫文庫だった。講談社学術文庫は、1976年発足の文庫で、古典新訳や書き下ろしも多く、私もずいぶんお世話になった文庫である。 2000冊以上刊行されているらしいが、著者の…

わかこゝろ⑥ 菅江真澄テキスト

十九日 つとめて浅間をたつ。 このあたりをさして、 「浅羽野にたつ水輪小菅ねかくれてたれゆへにかはわが恋ざらん」 と聞え給ふる。 この朝葉をあやまりて浅間といへるにや。 鈴虫のふり出てながめ紅のあさはの野良やいざわけて見ん 松本を過ぎ村居をへて芝…

日本旅行記、訪問記、滞在記の類いについて②

我孫子市立図書館から借りてある4冊の書籍を読んでいる。 気にかかる箇所の文章を抜き出そうと思う。 フランシスコ・デ・ザビエル 「聖フランシスコ・デ・ザビエル書翰抄下」 岩波文庫 アルーべ神父 井上郁二 訳 ザビエルは、ポルトガル国王ジョアン3世によ…