広島でのG7に参加する各国の首脳が、原爆資料館を見学したというニュースを見た。
それぞれが、さまざまな思いを持って、見たことだろう。
私も、若い時に広島の原爆資料館に行った。
夏休みの2ヶ月間のアルバイトを終えた後の旅行だったから、9月になっていた。
広島と長崎の原爆資料館は、見ておくべきだと思ったのだろう。
たぶん、二十歳の夏だったので、もう50年前になろうとしている。
核軍縮や核廃絶の動きはその頃からあって、核兵器の総数は減っているかもしれないが、核保有国は確実に増え続けている。
今回のG7も、それぞれの国の思惑がある。
広島でやったという意義はあるだろうが、一筋縄ではいかない問題である。
学生時代の広島訪問のあと、私は九州を一周している。
貧乏旅行なので、ユースホステルに泊まっていた。
しかも、会員ではないので、誰でも利用できる公営のユースホステルである。
各都道府県に、一つか二つはあった。
広島は、市の郊外の丘の上にあって、夜になると広島市民球場の歓声が聴こえた。
福岡は、山間部にある施設で、佐賀は虹の松原という海辺にあった。
長崎でも、原爆資料館を訪ねたが、ユースホステルがどうだったかは記憶がない。
熊本では、阿蘇山のふもと、鹿児島は桜島、宮崎は日南海岸だった。
九州最終日は、大分の日田を予約していたが、さすがに疲れていたのでキャンセルして、夜行列車で京都に向かった。
そこから夜行列車で郷里の秋田行きに乗るので、昼は市内観光のバスに乗った。
郷里では、ふるさとの山である田代岳に登った。
なんで、こんな無謀な計画をたてたのだろう。
やりたいことをあげていたら、こうなったのだろうな。
広島も長崎も、その後行ったことがない。
九州は、就職してから研修の大会参加で福岡には行ったことはあるが、他は全く足を踏み入れていない。
いつでも、どこへでも行ける時代になっているのに、現実はそんなものである。
新幹線と高速道路が、日本列島に張り巡らしされている。
さらに、国際空港やら地方空港やらが、大小合計で百近くもある。
それほど大きなわけでもない国なのに。
それなのに、私にとっては、西日本はほとんど未踏の地である。
四国はまったく行ったことがないし、山陰地方、近畿地方の南部は行ってない。
私が、今までどんな旅行をしてきたかを考えてみる。
まずは、山登りのための旅である。
20代の頃は、山仲間たちと2、3ヶ月間隔くらいで、登っていた。
一人旅のこともあるし、2人のこともある。
フルメンバーだと、四人である。
メンバーが世帯持ちになると、グッとペースが落ちて、登山後の温泉がメインになっていた。
深田久弥さんが選定した「日本百名山」というのがあるが、数えてみたら38の山に登っていた。
東日本の山は、かなり歩いていた。
私が働いていたころには、毎年必ず職場の旅行があった。
慰安旅行というやつだろうが、コロナを機会に、今はなくなったかもしれない。
おかげで、関東近県の温泉場には、けっこう行ってる。
あとは、仕事上の研修などのための、旅行である。
そして、家族での旅行がある。
48ある都道府県で、行っていないのはいくつあるだろうと、考えてみた。
四国には、まったく足を踏み入れていない。
YouTubeを見ていると、多くの外国の方もお遍路さんをやっている。
巡礼というのは、キリスト教やイスラム教にもあるのだから、理解できるのだろう。
日本史の中で、特別な地域である山陰には興味がある
近畿地方の南部、和歌山、三重、奈良にも行ったことがない。
高校の修学旅行は、秋田でも京都奈良へ行ってたと思う。
高校生活からドロップ気味だった私は、修学旅行に参加してない。
奈良もそうだし、熊野古道も惹かれるものがある。
これだと、未踏の県は9県だけど、山口と大分はJRで通っただけで、下車していないか。
この文章は、G7をやっているころに書きはじめて、途中で中断していた。
そのうちに、ベレンスキー大統領も来日し、原爆資料館を訪問した。
そして、G7は終わってだいぶ経ってしまった。
ニュースを見ていた次男に、原爆資料館に行ったことがあるか聞いてみた。
広島も、長崎も、行ったことがない、という返事だった。
長男や三男も、行ってないかもしれない。
日本人のどれくらいの人が、資料館を見学してるのだろうと気になって、調べてみた。
広島原爆資料館のサイトによれば、昭和30年の開館以来の入館者の累計は約7600万人である。
コロナ過前の2019年の入館者は1,758,746人で、そのうちのなんと522,781人は外国人なのだ。
思ったよりも多くて、驚きだった。
G7の各国首脳も、開催地が広島でなければ、資料館を訪ねることはなかったかもしれない。
資料館内での、各首脳の様子は公開されなかった。
各国の国内事情を考慮してということだったので、それほど微妙な問題だということだろう。
主催者である日本だって、米国の核の傘の中にあるのが現実である。
今日のニュースによれば、ウクライナとロシアの状況は、変わりつつあるようだ。
どんどんと、先が見えなくなっていくようだ。