晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

ボクの音楽武者修行  小澤征爾

小澤征爾さんが、亡くなった。 言うまでもなく、日本を代表するクラシック界の音楽家である。 若い頃から、クラシック音楽を愛好してきた私にとっては、身近な存在だった。 とは言っても、彼の演奏会に一回も行ったことはない。 私がクラシックのコンサート…

無人探査機が月面に着陸した日

2024年1月20日、JAXAの無人探査機が月面に着陸した。 アメリカ、ソ連、中国、インド、に次いで日本が5カ国目ということになるらしい。 とは言っても、アメリカとソ連の探査機が着陸したのは、1966年であり、なんと半世紀以上昔のことである。 またまた、はる…

柳田国男と菅江真澄

菅江真澄は、それほど知られている人ではない。 私の学校生活の中でも、彼の名や作品は教科書などでは扱われていなかった。 現在は、どうなのだろうか。 だから私は、二十代になって,菅江真澄の研究者である内田武志氏の新聞記事を読むまでは、その名を知ら…

かすむこまかた11 菅江真澄テキスト

近隣(チカドナリ)の翁の訪来(トイキ)て、都は花の真盛(マサカリ)ならむ、一とせ京都(ミヤコ)の春にあひて、嵐の山の花をきのふけふ見し事あり、何事も花のみやこ也とて去ぬ。 数多杵(アマタギネ)てふものして餅搗(モチツキ)ざわめきわたりぬ。 …

鉄道地図帳を楽しむ

年末に出かけた書店の店頭で、こんなポスターを見つけた。 昭文社の全国鉄道地図帳の最新版が、発売されるということだ。 我が家には、地図帳は何冊もあるが、世界地図や日本地図を除けば、ほとんど「道路地図」である。 「鉄道地図」と名のつくものは、今ま…

かすむこまかた10 菅江真澄テキスト

廿八日 毛越寺のふる蹟見なんとて田の畔づたひして、礎の跡なンどにいにしへをしのぶ。 廿八日 毛越寺の衆徒某二人、日吉(ヒエ)ノ山に登り戒檀ふみにとて旅立ければ、此法師たちに、故郷に書(フミ)たのむとて、 ふる里を夢にしのぶのすり衣おもひみだれ…

人生七十古来稀なり

ローリング・ストーンズのメンバーが80歳であるということを、このブログに書いた。 彼らより10歳下の私も、先日70歳の誕生日を迎えた。 「古稀」である。 「人生七十古来稀なり」というのは、杜甫の詩にあるらしい。 杜甫は八世紀の人だが、自身は58歳で亡…

かすむこまかた⑨ 菅江真澄テキスト

「是はもろこしのごかん(後漢)のめいてい(明帝)の御代に、かぶむと申ス老人にてさふらふ也」 と老翁(オヂ)、老嫗(ウバ)両人(フタリ)出(デ)て、己(オノ)がむすめの死(ミマカリ)し事をなげき、塚にをみなへし、おしこぐさの生たるを記念(カタミ)…

ロックの時代21 ビートルズとローリング・ストーンズ

1ヶ月くらい前のことだが、テレビのワイドショーの音楽コーナーで、ローリング・ストーンズを見た。 ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロン・ウッドの三人がインタビューを受けていた。 ちらっと見ただけなので、詳しい内容まではわからないが、新しい…

かすむこまかた⑧ 菅江真澄テキスト

此事終(ハツ)れば、れいの優婆塞出(イデ)キて法螺を吹キ太鼓(ツヾミ)うてば、もろ/\の神供(ヒモロギ)をおろし、円居(マドヰ)しける衆徒(ホフシ)の前に居(スヱ)るをいなだき、神酒(ミキ)たうばりなンど、やゝ此直会(ナホライ)はてて、衆…

6枚目の図書館カード

ひさしぶりに、図書館ウォーキングに出かけた。 小金原にある松戸市立図書館の分館に向かうことにした。 朝から天気も良く青空で、気温もだいぶ過ごしやすくなっている。 今年の夏は暑かったので、遠出は避けていた。 遠出のウォーキングは、いつ以来だろう…

かすむこまかた⑦ 菅江真澄テキスト

「忠衡密渡蝦夷ニ」といふくだりに 「其夜泉三郎忠衡は、郎徒共に暫く防キ矢を射させて後は館に火をかけ、自害の体にもてなし裏道より遁れ出て終蝦夷にこゝろざし、津軽ノ深浦へとぞ落行ける。 頃は六月廿日余り、深浦の港は兼て秋田ノ次郎が謀ひにて、交易…

クマ出没 注意!

二十代の頃に、秋田県中央部の森吉山に一人で登っていた。 そしたら、こんな看板があった。 「クマ出没 注意!」 アスファルト舗装はされていないが、トラックの通れるような広い林道である。 「注意」と言われても、クマよけの鈴も持っていなかった。 まあ…

かすむこまかた⑥  菅江真澄テキスト

また康元、正嘉のころならむ、相模守時頼、最明寺して落飾(スケシ)たまひて、法ノ名を覚了房道崇と号(ナノリ)て国々めぐり給ひ、こゝにもしばし杖を曳(ヒキ)とめられしといふ庵の跡あり。 また舞鶴(マヒヅル)が池も雪に翅(ツバサ)のふり埋れ、梵字…

やるべき事をやるべき人がやる

二週間ぐらい前だったろうか、伊豆諸島や小笠原諸島で、津波が発生したということで、一日中テレビのニュースが津波の状況を伝えていた。 ニュースの映像では、どこかの湾内の小さなボートがひっくり返って、流れていた。 ところが、気象庁の会見では、鳥島…

かすむこまかた⑤  菅江真澄テキスト

四月(ウヅキ)ノ初午ノ日は白山神の祭にて、七歳男子(ナナツゴ)を馬に乗(ノセ)て粧ひたて、白兎(シロウサギ)の作り物あり。 此白兎は従者(スンザ)にてもろこしより神のぐし給ひしまねびといへり。 此処(コゝ)に斎奉(イツキマツ)る白山ノ神霊(…

空から地上を見る方法

最寄駅である東武野田線の新柏駅前に、新築マンションが建築中である。 そのチラシを見ていたのだが、8階建114戸で完成は2025年3月となっている。 東武鉄道と大和ハウス工業のコラボレーション・プロジェクトである、とチラシには書いてある。 完成はまだ、…

かすむこまかた④  菅江真澄テキスト

二十日 けふは磐井ノ郡平泉ノ郷(サト)なる常行堂に摩多羅神の祭見ンとて、宿の良道なンどにいざなはれて徳岡の上野を出て、はや外(ト)は春めきたりなンど語らひもて行ク。 遠かたの田ノ面の雪の中にこゝらたてならべたる鶴形(ツルガタ)は、まことにあ…

隣づきあいはむずかしい

購読リストに読者登録してあるブログを読んでいた。 私が読者登録してあるブログは、かなりの数ある気がするが、どこを見れば自分が登録してあるブログの一覧が見れるのかわからない。 もちろん、自分のブログの読者一覧を見るのはわかる。 「歴ログ-世界史…

かすむこまかた③  菅江真澄テキスト

白粉(シロイモ)の、さはにあらねば、近き世には山より白土(シラツチ)を掘り来(キ)て、三四日(ミカヨカ)も前日(サキツヒ)より、花白物(オシロイ)よ/\と肆(イチ)にうりもてありくを買ひ、水に解(トカシ)たくはひおきて是を塗(ヌ)る也。 む…

ロックの時代 20 Now I Here

毎日のように、Youtubeをチェックしている。 それが、私にとっては唯一の音楽についての情報源と言っていいかも知れない。 数ヶ月前、いつものようにYoutubeを見ていたら、Radwimpsの海外公演のビデオがアップされていた。 Radwimpsというバンドは聞いたこと…

客観的であること 論理的であること

客観的である、論理的である、そうありたいものだと自分では思っている。 しかし、人間というものは、なかなかそうはいかないものである。 自分にあまり関係のないものであれば、けっこう客観的論理的な判断ができる。 ところが、現実にはそういう訳にはいか…

送電線鉄塔の建替工事が始まる インフラとライフライン

団地の掲示板に、東京電力の文書がだいぶ前から貼ってある。 「送電線鉄塔工事のお知らせとお願い」 工事期間は、今年の7月から来年の4月までとなっている。 ところが、工事はまだ始まる形跡がない。 団地は、北東部の3棟と西南部の7棟と、合計10棟の低層の…

かすむこまかた②  菅江真澄テキスト

十二日 つとめて、小雪ふりていと寒し。 午うち過るころより若男等(ワカヲラ)あまた、肩(カタ)と腰とに「けんだい」とて、稲藁(ワラ)もて編(アメ)る蓑衣(ミノ)の如なるものを着(キ)て藁笠(ワラガサ)をかヾふり、さゝやかなる鳴子いくつも胸(ム…

まるめろのうた

私の住む集合住宅に隣接して、光ヶ丘団地がある。 日本で最も古い公団住宅だった光ヶ丘団地は、20年ほど前に建て替えられて、高層住宅になった。 だから現在は、正確には「グリーンタウン光ヶ丘」という名前に変わっている。 歩いていると、運動広場の近くに…

かすむこまかた①  菅江真澄テキスト

夕づゝのかゆきかくゆきゆきくさまくら旅にしあればそことさだめず 雲ばなれ遠き国方(クニベ)にさそらへありき、ことしもくれて、みちのくの胆沢(イサワ)ノ郡駒形(コマガタ)ノ荘(サウ)ころもが関のこなた、徳岡(トクオカ)(胆沢郡胆沢村)という里…

青歯王とブルートゥースBlueTooth

カーオーディオが壊れて音楽を聴けなくなったので、しばらくスマホ本体だけで聴いていた。 スマホの音は、しばらく聞いていると疲れてくる。 なんとかしようと、電気屋やカー用品の店舗を覗いてみた。 カーオーディオは、ほとんどカーナビに内蔵されたもので…

かすむこまかた  菅江真澄テキスト

「かすむこまかた」は、天明6年(1786年)正月から2月にかけての日記である。 菅江真澄は、陸奥国仙台領胆沢郡前沢駒形で正月を迎えている。 天明3年春に、故郷の三河を離れて旅に出た菅江真澄にとっては、旅の途上の三回目の正月である。 天明4年は、信濃国東…

歴史とドラマ 「牧野富太郎自叙伝」

「牧野富太郎自叙伝」を読んでいる。 先日、図書館で「古代日本の道と駅」を借りて読んだことを書いた。 実は、図書館での目当ては、この本ではなかった。 牧野富太郎という植物学者についての本がないものか、探していた。 やはり、分館にはなく、本館に行…

国名について調べてみた18  古代の道と駅

これは、私の日本の歴史の勉強のための覚書です。調べたこと、考えたことを書きとめてます。 令制国というものに興味があって、気が向けば調べたりしています。 近所の市立図書館分館で、久しぶりに本を借りた。 「事典 日本古代の道と駅」という書籍だが、…