晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

菅江真澄

いなのなかみち④   菅江真澄テキスト

seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp 甘三日 ていけよければ、外島をいづ。このごろの雨にや河水いやまさり、橋々おちながれうせ、天流川は、あら海などのやうに浪うちあぐる。岸まで人々をくり来て、むかふ…

菅江真澄のうた

菅江真澄の旅の日記は、全体に自作の短歌が織り込まれている。 短歌があって、菅江真澄の旅の日記は成り立っており、短歌のない文章は考えられない。 しかし、菅江真澄の業績を高く評価してきた研究者の柳田國男は、菅江真澄の短歌を酷評している。 「思い切…

いなのなかみち③ 菅江真澄テキスト

seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp 五月五日 みはるがやどをひるより出たつ。 ひとおき、ふたおき、ふななどいひて、里は、こかひのわざに露のいとまなみ、柔のさえだ折もてありき、やの中は、ところせく、…

いなのなかみち②  菅江真澄テキスト

seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp 一ばかり市田てふところにゆくに、いとおほきなる松の朶ごとに藤のまつはりて、こきむらさきに咲たり。 くれて行春をとゞめて松が枝にかかるはうれし花の藤波 かくてその…

いなのなかみち①  菅江真澄テキスト

seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp seiko-udoku.hatenadiary.jp 天明三年癸卯のやよいより、しなのの国をわけて、もとせばとふ里に在て、月はしわすに至るまでをのす。 その頃…

いなのなかみち   菅江真澄テキスト

天明3年2月末、真澄は故郷を出発し信濃国伊那郡に入った。 これは、信濃で年末まで過ごした日記である。 このあいだに真澄は、5月24日に東筑摩郡洗馬村で宗福寺洞月上人に再会し、医者可児永通を紹介され滞留することになり、付近を巡遊した。 本文には、…

菅江真澄テキスト

菅江真澄という人を知って、すぐに菅江真澄に関する書籍を探して何冊か手に入れた。 いろいろな視点から、彼の漂泊の人生を描いていた。 私は、江戸時代にこのような人生を送った人間が存在したことが信じられない気がした。 三河で育った人間にとつて、彼が…

菅江真澄との出会い

菅江真澄を知ったのは、私が20代後半のころだった。 私の郷里である秋田県のローカル紙「秋田魁新報」の記事を通してだった。 記事は血友病のため長く病床にある民俗学者の内田武志氏についてのもので、内田氏の研究対象が菅江真澄だった。 菅江真澄は、江戸…