「ギターは小さなオーケストラである」と、ベートーヴェンが言ったそうだ。
ベートーヴェンのギター作品てあったかな。
たしかに、ギター伴奏歌曲集はあるようだ。
メロディーと和音を同時に出すことができるというのが、その理由らしいが、ピアノだってできる、ということになる。
まあ、ピアノと比べなくても、持ち運べるくらいコンパクトで手ごろな価格であることは否定できないだろう。
私が、音楽に興味を持ち始めた頃、ウクレレを持った加山雄三の時代だった。
小学生の時に、お年玉でウクレレを買った。
たぶん、ギターがほしかったが、手が届かないくらい高かったのだ。
ギターと言ったら、エレキギターかフォークギターだった。
フォークギターを手に入れて、練習していた。
フォークのアルペジオとか、そういう技法はクラシックギターから来てるらしいということを知って、クラシックギターに興味を持った。
フォークギターはスチール弦である。
スチール弦は、硬くて押さえにくく、指先が痛くなる。
大学生になって、クラシックギターを買った。
クラシックギターは、ナイロン弦である。
ナイロン弦は、指にやさしい。
ナイロン弦になる前は、ガット弦を使っていたらしい。
ガットは動物の腸から作ったもので、ガットギターという名に、その名残がある。
ギター教室にも行かず、ギター友だちもなく、教則本だけで練習していたので、完全に独学である。
自分の演奏にはまったく自信がないが、ただ弾いているのが楽しくて続けてきただけである。
長年やっているが、限界ばっかりである。
自覚している。
チューニングが苦手だ。
テンポがおかしい。
♯や♭が、四つ以上の調になると、頭が混乱する。
暗譜ができない。
目の前に楽譜が必要である。
などなど。
ギターを手にしてから、50年ほどになるが、途中引越しの際にギターを破損して手放していた時期も長かった。
退職の際に、自分へのご褒美にスペイン製のギターを新調いたことは、以前も書いた。
ギターを弾く楽しさは、「小さなオーケストラ」だからかもしれない。
和音とメロディーをひとりで出すのは、気持ちいいんだと思う。
心地いいんだと思う。
お気に入りの曲は、J.S.Bachの「Bourree」。
長さがちょうどよく、弾いていて気持ちがいい。
私の独断かもしれないが、ギターむきの曲があると思う。
たぶん、編曲が上手いのだろうが、「Greensleeves」とか、Mark Lamberg編曲の「The Star-Spangled Banner アメリカ国歌 」も、おもしろい。
弾くのはクラシックギターだけど、聴くのはジャンルに限らずなんでも聴く。
Jimi Hendrix Eric Clapton B.B.king Jeff Beck
Jose Feliciano Atahualpa Yupanqui
Wes Montgomery Chet Atkins Joe Pass
ここにあげたのは、いわゆるバンドのリード・ギターと言われる人だけど、私は、サイド・ギターとかセカンド・ギターとかリズム・ギターと言われる人も好きである。
バンドとしてのノリを作るってことなのかな。
BeatlesならJohn Lennon だし、Rolling Stones なら Keith Richards になる。