どうして英語が苦手なのだろうか。
私を含めて、日本人全体についても同じことだろう。
自分のことを考えてみても、中学校で3年間、高校で3年間、英語を学んでいる。
大学でも、英語は必修単位になってたと思うので、いくつかの科目をやっているはずである。
合計すると8年くらいになる。それなのに、日常会話もろくにできない。
学校の授業だけで、英語がペラペラというのは聞いたことがない。
私の世代などは教科書主体の授業で、会話形式などはやったこともない。
テープを使ったヒアリングも、やっていない。
もっと、下の世代だったら、また少し違ってくるだろう。
そんなものでも、受験科目を英語でやってなんとかなった。
話すことはできないが、英語の文章ならなんとか意味はわかる。
英語の歌が好きで、よく聴いていた。聴いただけでは、歌詞は聞きとれないところが多い。
歌詞が印刷してあれば、意味はわかる。それが、現実である。
よく言われるのは、日本では英語を使う必要がないから、上達しない。
日本で生活する限り、英語を使わなければならないという機会は、ほとんどない。
職業によっては、英語が必須という職場はあるだろう。
観光立国政策によって外国人観光客が増えているので、そのような機会は増えてくるだろう。
仕事上、英語を必要とする人も多くなると思う。
2回ほど、海外旅行に行ったことがある。
地元の市場などに行ったのは、楽しい思い出である。
もう少し、英語が話せたらもっと楽しめただろうと、思ったものだった。
どこで得た知識だったか、忘れてしまったのだが、高等教育において日本人が英語を必要としないのが、理由の一つではないかという説があった。
日本では、ほとんどの専門書が日本語に翻訳されているので、大学や専門学校においても英語を必要としない、というのである。
自国語に翻訳した専門書が刊行されていない国では、英語の専門書で勉強しなければならない。
アジアの日本以外の国は、自国語の専門書が少ないので英語で学んでいる、というのだ。
たしかに日本は、出版大国でもあるかも知れない。日本語の書籍を輸出するとは思えないので、日本国内の需要でまかなえるのだろう。
「内需の国」というけれど、こんなところにも現れているのだろうな。
でも、これはほんの小さな理由だろう。
世界で自国語として最も使われている言語は、中国語だと思う中国だけで14億人の人口だそうだ。
次に使われているのは、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどで使われている英語だと思うが、どれくらいの人口になるのだろう。
しかも、英語を公用語としているインドの人口は13億人を越える。インドには、400を越える方言があるという。
他にも、公用語ではなくても、英語が話せる人々は世界中にいっぱいいる。
ヨーロッパは、地続きなのでフランス語やドイツ語は、フランスやドイツの国以外にも公用語になっている国があり、それを日常語にしている地域があるそうだ。
一つの国の中に複数の公用語があるような国では、英語の存在は貴重なものなのだろうか。
結局、英語を使わざるを得ない状況になれば、話せるようになる。
その選択肢しかなければ、選ばざるを得ないってことかな。