私は、末っ子で長男である。
末っ子で長男ということは、姉がいるということだ。
5歳上の姉と2歳上の姉がいる。
末っ子で長男というのは、どれくらいの比率でいるのだろうか。
兄弟姉妹が2人でも、末っ子というのだろうか。
兄弟姉妹が、どういう組み合わせかで、ずいぶんと育つ環境が違うだろう。
末っ子は、たいていかわいがられて育つ。
甘やかされるかもしれない。
家業の有無によるかもしれないが、長男としてのプレッシャーがある。
家業があったら、かなり強いものになるだろう。
家業がなくても、姉は嫁いで家に居なくなるだろうから、長男である自分が残る。
後を継ぐべきものがないにしても、よくわからないプレッシャーのようなものがある。
私の父は、農家の7人兄弟姉妹の、末っ子で四男だった。
長男が農業を継ぎ、姉3人が他家に嫁ぎ、兄2人は、他家の養子になった。
末っ子だった父は、同じ村のなかに住居を用意してもらい、農地を分けられて分家になった。
農地は、田圃と畑だったがそれだけで、生計をたてるのに充分な広さではなかったので、山師となった。
山師は、国有林の木材の払い出しを受けて、それを伐採し、納入先まで、運ぶ仕事である。
農業は、普段は母がやっていた。
農繁期の時だけ、父が手伝っていた。
なぜ、兄弟で父だけが分家になったのか、詳しい事情はわからない。
もしかすると、末っ子であるということが大きな理由だったかもしれない。
私の同級生たちは、兄弟姉妹は3人というのが多かった。
父や母の時代のように、6人、7人というのは、もうなかった。
子どもは多い方がいい、という時代もあったのだ。
単純に考えて、一人っ子ばっかりだと、人口は減少していく。
2人兄弟姉妹だと、現状維持である。でも、いろいろなリスクを考えると、長期的には微減傾向だろう。
なので、3人兄弟姉妹が無難ということになるのだろう。
一人っ子を、国の政策とした国がある。
一人っ子ということは、両親2人と祖父母4人で、1人の子どもを育てることになる。
6人で1人を育てるのだから、大学でも、留学でもできるだろう。
でも、老後は夫婦2人で両親4人を扶養することになる。
かなり、たいへんなことである。家族だけではなく、国家として考えても
それなりに、国は長期的な展望を持って実施してきたのだろう。
しかも、ひとりっ子ということで、どんどん人口は減っていく。
逆ピラミッドになっていく。
2016年から、二人目が認められるように、政策を転換したようだ。
でも、半世紀にわたる制度は社会に染み込んでしまっている。
二人っ子ということは、一人にかけられる教育費が半分になるということである。
3人兄弟姉妹だったら、三分の一になる。
親としてはして、自分が受けた教育と同じものは受けさせたいだろうから、やっぱり一人っ子を選択することになるんじゃないかな。
簡単に、二人っ子にはならないし、出生率は上がらないだろう。
一度身についてしまったら、なかなか、後戻りはできないのだ。
日本だって、すでに人口が減りはじめている。
他人事ではないよね。