晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

雪国で育った私が体験したこと

何日か前に、十勝岳が雪景色だと、ニュースでやっていた。十勝連峰なら、若い頃に縦走したことがある。夏だったけど。

北海道は、冬に突入なんだな。半年近い冬の始まりだ。

そこで、雪国で育った私が体験したことを思い出してみた。

別世界みたいだけど、ホントの話です。

 

①    雪の中を山越えして登校

学校まで、自動車が通る道があったけど遠回りで1時間以上かかった。そこで、子どもたちは最短距離である山越えをしていた。山道があって、それだと30分くらいで行けた。

冬だと一晩で50cm以上も雪が積もることがある。そういう時は、上級生たちが雪掻きをしてくれた。幼稚園は、年長の1年間だけ行ってたが、5歳からそういうことをしていたことになる。保護者がついて行くなんてなかった。そういうものだったから。

毎日冬山登山。今考えると、すごいかも。

 

②    ランドセルはソリになる

春に近くなって、日中の日射しが強くなると積もった雪の表面が解ける。それが、夜になると急激に気温が下がって、雪の表面が凍る。凍って氷のようになる。

それを、堅雪(かたゆき)と言ってた。宮澤賢治の童話にあった気がする。凍った表面の下は、普通の雪だが、大人が乗って歩いても大丈夫だ。

山のどこでも歩ける。

山の斜面を、お尻ですべって遊んでた。ランドセルをソリにするともっとスピードが出て面白い。ランドセルは、傷だらけになった。

 

③    勉強部屋が零下10度

中学生の時、自分の部屋を確保した。でも、茅葺きの農家なので、暖房は囲炉裏と薪ストーブだけ。家の中は暖まらない。

自分の部屋がマイナス10度だったのを覚えている。

おしん」の世界と言えばいいのかな。「おしん」は見てなかったが。

そのせいか今でも、寒さには強い。冬でも、腕まくりしたりしてしまう。

そのかわり、暑さにはめっぽう弱い。

 

④    掛け布団の上に粉雪がつもる

昔の農家の作りなので、けっこう隙間がある。それで茅葺きだと断熱効果で夏は涼しい。

普通に雪が降る分には大丈夫だが、地吹雪になると、パウダースノーのような粉雪が隙間から入ってくる。

掛け布団の上がうっすらと雪が積もって白くなっているのを覚えている。でも、気温が低いので解けない。

 

 ⑤  食用油が凍る

その頃、冷蔵庫はないので食料は戸棚に入れていた。

すごく冷え込むと食用油が白く凍っていた。

冷蔵庫に入れただけでは凍らない。冷凍庫へ入れたら凍ると思う。

家の中が、冷凍庫のように冷えていたということだ。

 

おしん」は、山形だったけど、秋田と似たようなものだと思う。

まあ、私が育った時代のことです。今は、こんなことはないでしょう。

 

 

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