晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

濃口醤油と薄口醤油

関西の醤油は、色は薄いけど、関東の醤油よりしょっぱい、というのをむかし聞いたことがあった。

ほんとかなと、と思っていた。

私の育った秋田は、関東と同じ濃口醤油で、薄口醤油というのは見たことがなかった。

ただ、食材の色が変わることを、避けたいだけならば、塩分を濃くする必要はない。

不思議だなと思ったのだが、製法上そうなってしまうということらしい。

塩分を濃くすると、発酵の途中で菌が死んでしまう。

塩分を薄くすると、発酵がどんどん進んで色も濃くなってしまう。

ということは、薄口醤油は、旨味より見た目を選んだ。

濃口醤油は、見た目よりも旨みを選んだ、ということになるのかな。

関西の人にとっては、関東のうどんやそばの汁の濃い色にぞっとするらしい。

たしかに、それこそ文化の違いなんだろうな。

 

塩分濃度からすると、濃口醤油は16〜17%で、薄口醤油は18〜19%なのだそうだ。

まあ、これはあくまでも醤油自体の濃度なので、使用量で調整できる問題ではある。

あまり身近ではないが、他にも醤油の種類があるのだという。

 

白醤油、溜(たまり)醤油、再仕込醤油である。

白醤油は、塩分濃度が17〜18%で、主に三河地方で作られている小麦粉を主原料とする琥珀色の醤油なんだそうだ。

でも、日本農林規格(JAS) で、「しょうゆ」は、「大豆及び麦、米等の穀類」からつくるものとなってるので、白醤油を名乗るものは、9:1や8:1で大豆を使っているものである。

見かけたことがないような気がする。

 

溜醤油という名前は、聞いたことがある。

風味、色ともに濃厚ということで、お刺身用として売られてるのが多いらしいので、売り場で見てたのかな。

濃口醤油が、大豆と小麦を半々を原料とするのに対し、溜醤油は大豆のみを原料とし、あとは塩と麹のみであり、塩分濃度は16〜17%である。

醤油の原型なのかもしれない。

作り方も、味噌玉に麹をつけて、塩水につけて1年間熟成させるなど、とても手間がかかるみたいである。

とても、大量生産はできそうもない。

 

再仕込醤油というのは、知らなかった。

熟成期間が長いので、旨味が増加して濃厚らしい。

仕込みの際に、塩水ではなく濃口醤油を使う。

そのせいか、塩分濃度は12〜14%である。

 

なかなか、醤油の世界もむずかしいものである。

私は、子どもの頃から醤油が好きである。

そのかわり、ソースが苦手だった。

とんかつが好きで、外食してメニューから選ぶとだいたい、とんかつになってしまう。

ところが、お店のソースではなく醤油をかけていた。

ソースだと、肉のうまみがあの酸っぱさに負けてしまう。

醤油の方が、肉のうまみをいかすような気がしていた。

お酢自体は、好きな方なのにソースは苦手だった。

今は、ソースも最近はだいぶ大丈夫になってきたけど、とんかつはやっぱり醤油だな。

好みの問題なので、こんなものなんだな。

 

 

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp