郷里の秋田で「村おこし」の活動を行なっている団体から機関紙が、年に数回送られてくる。
今回の大きな記事は、郷里出身のヴァイオリン製作者の松田鉄雄さんが大館市に寄贈した楽器を使ったコンサートが開かれるというものだった。松田さんは、アメリカイリノイ州在住だが、母の実家のある村の出身だったので、話は聞いたことがある。
そして、付録としてドローンで撮影した集落の写真が載せられている。
車社会になって、広い車道が真っ直ぐに集落を通るようになっているので、私の記憶にある村とは違ったものになっている。
上空から見た村々は、とてもこじんまりとしたものに見える。
地上で目の高さから見たものとは、まったく違う世界だ。
最下流の私の集落から、登って行って、7つ目の集落は山瀬ダムの写真である。ダムに沈んでいるのだ。
写真を趣味とする従兄がドローンを使って撮影したものだった。
ドローンは、ラジコンヘリコプターである。
ただのラジコンなら、私が子どもの頃からあった。
ラジコン飛行機とラジコンカーがあったと思うが、とても高価だった。
今のドローンがすごいのは、ヘリコプターだから空中で停止できることに価値があると思う。
ラジコン飛行機と違って、ピンポイントで移動ができる。
そして、カメラが小さくて軽量になったので小さなドローンに搭載できる。
しかも、写した画像を瞬時に操縦者に送ることができるので、操縦が容易である。
空中から目標のものに近づいて、詳細な画像を撮影することが可能になった。
トヨタ自動車が、自動車をネット化するみたいなことを言ってたのは、10年以上前のことだと思う。
あれは、今どうなっているのだろう。
それを聞いた時に私が思ったのは、これでカーナビのデータ更新しなくても最新データのカーナビが使える、ということだった。
でも、そんな気配がない。
我が家は、トヨタ車だけど10年近く前のものである。
最新車は、どんなものになってるんだろう。
カーナビがネットにつながっていれば、サーバーの地図データにアクセスすればいいので、カーナビ個体にインストールする必要はない。
ネックは、車ごとにネット接続の契約が必要になることかもしれない。
カーナビを作っている会社も、今までと事業のやり方を大きく変換しなければならない。
スマホに地図アプリが入っていて、徒歩だけではなく、カーナビとしても使うことは可能だ。
混み入った場所を走る時に、スマホのナビ機能を使ったりしている。
はじめて地図ソフトが出てきたのは、Windows95の頃だったと思う。
私は、仕事上の必要があったので、アルプス社の「プロアトラス」シリーズを使っていた。
アルプス社のソフトの地図は、紙の地図帳のようにきれいなのが売り物だった。
地図ソフトには、あとマップル社の「スーパーマップル」シリーズがあった。
初期の頃、個人的に手に入れたことがあった。
同じ地図ソフトでも、大きく流儀の違うものだった。
私の印象だと、マップルの地図は位置データによる、点と線を活用した地図だった。
アルプス社のは、地図の画像データを基本としたものだったと思う。
このソフトから、PDA用に地図データを切り出しができる機能があって、それをソニーのCLIEに入れて持ち歩けるようになった時は、感激したものだった。
それが、ネット時代になって、両方を合体させたものになって行ったのだろう。
しかし、オフラインのソフトは、オンラインの地図サイトに押されてしまって、2013年にプロアトラスは販売終了している。
スーパーマップルは、業務用の地図やナビ用に業務を拡大しているらしく、今も新版を販売しているようだ。
Yahoo!地図やGoogleマップのサイトを開けば、都市地図が出てくる。
表示方式を切り替えると、航空写真に切り替えることができる。航空写真となっているけれど、これは衛星写真なのかな。
飛行機を飛ばして日本列島をカバーするのは大変なことだ。人工衛星は24時間回ってる。
今は、精密な写真も撮れるのだろう。
地図に、雨雲情報や台風情報を重ねることもできる。
東日本大地震の後、放射線汚染情報のオプションも作られていた。
しばらく、私はその情報を見ていた。
確かに、原子力発電所の事故のあと、私の住む千葉北部のあたりは福島同様に汚染されていた。
事故後の、雨雲の移動によるものだった。
でも、地図サイトで汚染状況を見れることは、一般的にはほとんど知られてなかった。
しばらく経ってから、思い出して見てみたが、汚染情報のオプションはもうなくなっていた。
私のように地図が好きな人間には、地図サイトは最高の場所である。
航空写真に切り替えれば、どこへでも飛んで行けるのだ。