私は、歩くのが好きだ。JRの駅まで歩くと30分くらいだが、バスに乗るよりは歩く方がいい。
さすがにそれ以上の距離だと、よほど事情がないと歩くことはない。
妻と、ウォーキングで歩くことはある。できるだけ歩いたことがない道を、探して歩いて1時間くらいしたら、また違う道で帰る。
往復2時間くらい。歩くこと自体を楽しみにしてる。
バスや鉄道がなかった江戸時代の旅人は、8時間から10時間歩いたらしい。
人が1時間に歩けるのは4キロくらいなので、1日32キロから40キロになる。
一里塚というのがあって、1時間歩く間隔で作られていた。よくできてるなと思ったけど、そのように作ったものらしい。
豊臣秀吉が、それまでいろいろあった1里の基準を36町里にしたものらしい。半時(1時間)に歩ける距離を、36町(3927m)=1里にした。
おかげで、とてもわかりやすくなっている。
歩くのは好きだけど、1日8時間歩くとなると、ちょっとできないかな。
山歩きが好きなので、山小屋2泊か3泊の縦走をしたことがある。
山歩きだと、朝は早い。夜明けとともに行動開始で、6時間ほど歩いて、山小屋に着いて昼食である。1日の行程は午前中で終わりである。午後は、小屋の近くを散策したり、遊んで終わる。
山の天候は、午後は悪くなる可能性が高い。そして、何か緊急な事態になったことを考えて、目一杯な計画は作らない。
登山をしていて、登り始めでバテて苦しい思いをすることが多かった。
バテないように、トレーニングしようと思い、ランニングを始めた。
私は、子どものころから走るのは得意だった。運動会では、いい思いをしていた。
でも、一度1000m走に出て、苦しい思いをした。1000mくらいを長距離とは言わないだろうが、200、300となると心臓がバクバクで、大変だった。得意なのは短距離で、長距離は、苦手なのを自覚した。
トレーニングを始めた時、やっぱり1000mが走れなかった。走っては、休み、走っては、休み、を繰り返していた。
それをやってるうちに思いついた。とりあえず、走り続けられるように走ればいいんじゃないか。
スピードは、歩くより早い程度でいいから、できるだけ長く走ろう。
そのうちに、気がつかないうちに少しずつ早くなっていった。
山登りも同じだけど、初めにバテてしまうと、回復することがない。そのまま、苦しさを引きずってしまう。
最初は、できるだけペースを抑える。遅すぎじゃないというくらいにゆっくりとスタートする。
そのうちに、体があったまってくる。ある程度までくれば、もう大丈夫。
かなり、ペースを上げても体が対応できるようになる。
山登りもランニングもそうだけど、自分のペースというものがある。
他の人と一緒だと、どうしても自分のペースを乱してしまう。
人それぞれなので、みんなでワイワイ喋って走るのが好きな人もいるだろう。
私は、のんびり景色を見ながら走るのがいい。
だから、山も一人で行くこともあった。
グループで行くのも楽しいけど、ひとりはひとりのよさがある。
結局のところ、それが個人的な行為なのか、それとも社会的な行為なのか、ということになるのかな。