私は、城址城郭や神社仏閣にとても興味がある。
WEB上には、いろいろな情報をデータベースとして利用できるサイトが多くある。
EPWINGという電子辞書形式のファイルを作ることを、熱心にやっていた時期があった。
神社の情報を集めて、「神社辞典」を作ったことがある。
その時に、神社について調べてみた。
日本全国に、神社が10万くらいあることがわかった。調べ方で違ってくるかもしれない。
文部省の調査だと81158となってる。お寺は、77256だそうだ。
神社といっても、誰でも知ってるような香取神宮や鹿島神宮のような立派な神社から、小さな建物があるだけの神社まで、いろいろである。
日本では、ある程度の規模の集落があったら、必ず神社がある。
集落のみんなで、管理して運営してるのだ。
村の鎮守の神様の
今日はめでたい御祭日
ドンドンヒャララ ドンヒャララ
ドンドンヒャララ ドンヒャララ
朝から聞こえる笛太鼓
唱歌の「むらまつり」は、そんな村の神社の光景である。
よく、日本人は無宗教とか信仰心がないと言われる。
でも、無宗教で信仰心のない国に、こんなに神社や寺があるはずがない。
宗教や信仰に対しての考え方やあり方が、他の国と違っているのだと思う。
決まりきった考え方で、物事を決めつけたら間違いのもとだ、ということだろう。
宗教のことを考えていて、とても気になるのがヨーロッパのことである。
ヨーロッパは、今ではキリスト教国ということになっている。
カトリックとプロテスタントの状況が、それぞれの国で違ってはいるだろう。
でも、キリスト教は中東の方から後になってやってきた宗教である。
キリスト教が来る前のヨーロッパを考えてみる。
西ヨーロッパと中央ヨーロッパの大部分は、ケルト人が住んでいたらしいから、ケルト神話の世界だったろう。
そして、ギリシャにはギリシャ神話があり、ローマにはローマ神話があった。
北欧には、北欧神話がある。いや、北欧神話はゲルマン神話に含まれるのか。
いずれも、多神教である。ケルト神話では、300を越える神がいたらしい。
そこに、一神教のユダヤ教の流れを汲むキリスト教が入ってくる。
4世紀に、ローマ帝国はミラノ勅令によりキリスト教を公認し、さらにキリスト教を国教とし異教は禁止されることになった。
一神教のキリスト教が国教となったのだから、当然それまでの多神教の神話の世界は異教ということになったはずである。
ほんとに、神話の世界はそこでなくなってしまったのだろうか。
なんらかの、折り合いをつけたのだろうか。
そこでいったい、どういうことがおこったのか。
何がかわったのか、それが知りたい。
ここで、日本のことを考えるとおんなじような状況になっている。
八百万の神々がいたところに、仏教が入ってくる。
仏教は多神教と言えるだろうから、そこがヨーロッパの場合とは事情が違う。
ところが日本では、神道と仏教の折り合いをつけるために、本地垂迹という考え方をすることにした。
さまざまな仏が、化身として日本に現れた権現が、日本にいる神々である、ということにしたのだ。
神仏習合の考え方により、神社内に神宮寺がつくられるようになった。
これは、明治維新で「神仏判然令」が出るまで、1000年以上続いた。
現在のヨーロッパでは、神話がどういうかたちで残っているのだろう。
ローマ帝国がキリスト教を国教としたのは、政治的に利用しようとしたのだと思うが、その辺をヨーロッパの人たちは、ほんとのところどう思っているのかは、知りたいところである。