晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

送電線鉄塔の建替工事が始まる インフラとライフライン

団地の掲示板に、東京電力の文書がだいぶ前から貼ってある。

「送電線鉄塔工事のお知らせとお願い」

工事期間は、今年の7月から来年の4月までとなっている。

ところが、工事はまだ始まる形跡がない。

団地は、北東部の3棟と西南部の7棟と、合計10棟の低層の建物でなっている。

その北東部の一角に、送電線鉄塔がある。

私は、「送電塔」と覚えていたが、正確には「送電線鉄塔」であるらしい。

鉄塔に近い所に、20台分くらいの駐車場があるが、すでに車両は他の駐車場の空きスペースに移動していて、閉鎖されている。

工事の際の事務所や、工具資材などの置き場になるのだろう。

 

この工事は、本来ならば数年前にやるはずだった。

三、四年前に、集合住宅の管理組合の役員をやっていた。

その時に、次年度建て替え工事をやるので、協力願いたいという申し入れがあったとの報告が理事会であった。

しかし、その後コロナ禍となり、工事は行われなかった。

その時点での計画では、この団地にある送電線鉄塔の隣にある鉄塔が、住宅地に囲まれた所にあり、解体はできるが新しい鉄塔作るのが困難だということだった。

それをカバーするために、この団地に建て替える鉄塔は今までよりも、大きなものになるとのことだった。

確かに、ここから300メートルあたりのところにある隣の住宅地にある鉄塔は、余分な敷地がなくすぐに住宅が迫っていた。

道路も狭く、大規模な工事をやれるような環境ではなかった。

今までの鉄塔も、高さ20メートルくらいはありそうだけれど、これより高いというのはどれ位になるのだろうと思っていた。

コロナのために、3年遅れくらいの工事になるのだが、その間に状況が変わったらしい。

工事のお知らせの文書によると、隣の鉄塔は撤去されてまったく無くなるわけではなく、住宅地に隣接する農地の一角に移設されるようだ。

なので、この団地内の鉄塔も今までと同様なものになるのだろう。

その農地は、この辺りではほとんどない大農家の所有地である。

かつては、四方を屋敷林というのだろうか、樹木で囲まれていて中はまったく見えなかった。

南北200メートル東西300メートル、くらいだろうか。

そんなにはないかもしれないが、見当がつかないくらい広い。

最近になって、だいぶ樹木が伐採されたので、中が見えるようになった。

ビニールハウスや畑が見えるが、住宅はどのあたりにあるかわからない。

その農地の住宅地に近い部分は、空き地になっているので、ここに鉄塔が建設されるのだろう。

この数年、テレビで「インフラの整備」というのが、取り上げられている。

日本の高度経済成長期に、整備されたインフラが老朽化しているので、これに対応して、点検、修繕などのメンテナンスを充分にしていかなければならないということらしい。

高度経済成長というのは、私が小学生だった1960年代頃から始まっている。

ということは、半世紀は経過しているわけだ。

この団地も、1980年頃に建設されたもので、その頃には送電線鉄塔も既に建てられていたのだと思う。

そういえば、数年前に台風の強風によって、千葉県南部で送電線鉄塔が崩壊し、長期間にわたって、停電が続いた。

これも、鉄塔の老朽化が原因だったと言われている。

 

インフラというのは、インフラストラクチャーinfrastructure)の略称である。

インフラは、下の(infra)構造(structre)であり、社会基盤、基盤施設、経済基盤という訳語もある。

国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設ということなので、国民の生活を支えるすべてのものと言ってもいいのかもしれない。

具体的に挙げれば、学校、病院、道路、港湾、工業用地、公営住宅、橋梁、鉄道路線、バス路線、上水道、下水道、電気、ガス、電話などである。

あって当たり前、無ければ困るものばかりである。

常に、通常に使えるように維持しておく必要がある。

なんとも、大変なことである。

ライフライン」という言葉も使われるが、よく使われるようになったのは、東日本大震災以降ではないだろうか。

これは、「生活に必須なインフラ設備のうち、主にエネルギー施設、水供給施設、交通施設、情報施設などを指す語」ということで、より生活に密着したものになるらしい。 

ライフライン」という言葉自体が、本来は「命綱」という意味ということだ。

 

街中を車や自転車で走っていると、ごちゃごちゃした電柱が気になる。

電線や電話線だけではなく、他にも様々な役割を負ってるらしい。

もっと広々した手賀沼や江戸川、利根川の土手をランニングやサイクリングしていると、視界の中を送電線が横切っていたりする。

いったいどこから来て、どこへ行くのだろうと思うが、まったくわからない。

どこかの発電所から、はるばるやって来て、どこかの変電所にでも続いているのだろうが、想像もつかない。

 

日本における送電線網はどのようになっているか、気になったので調べてみた。

Googleマップやyahooマップには、送電線や鉄塔らしきものは表示されない。

国土地理院の「電子国土WEB」という地図閲覧サイトでは、大きな縮尺では送電線らしきものが表示される。

ところが、送電線鉄塔は表示されないので、住宅など建物の形が表示される小さな縮尺にすると、鉄塔どころか送電線も消えてしまう。

さらに、送電線網について調べてみたのだが、どうもテロ対策として送電線網の情報を表示しないようになっているようだ。

だから、公的なサイトでは情報提供してないようだ。

送電線鉄塔が攻撃の対象にされたら、鉄塔が一つ損害を受けただけで、その影響はとてつもなく大きなものになるのだろう。

そういえば、近所の鉄塔をいくつか見て歩いたが、いづれも施設についての表示板が全く無かった。

普通ならこんな公的な施設なら、必ず設置者や管理者を表示したプレートなどがあるはずなのに、おかしいなと思ったのだった。

 

団地にある送電線鉄塔からの電線は、南東に300メートルほどいったところにあるコンビニの敷地にある鉄塔に続いている。

さらに南東に伸びた送電線は、中学校入口の交差点にある鉄塔に続いているようだ。

その鉄塔のそばに、変電所らしきものがあるのは気がついていた。

地図を見ると、思ったよりも大規模な変電施設があるらしい。

樹木でおおわれていたので、よく見えなかったけれど、あの周辺の電気はここから供給されているのだろうか。



新しい送電線鉄塔が建設される予定の農地の前を通ったら、重機がいくつか集まっていた。

そろそろ、工事が始まるらしい。

それに対して、わが団地の鉄塔のあたりは、まったく変化がない。

どういうことだろうと、掲示板のお知らせの文書をよく読んでみた。

重大なことがわかった。

わが団地の鉄塔の建替は、行われない。

隣の鉄塔を撤去する場合には、わが団地の鉄塔を今までよりの大きなものに建て替えるはずだったが、隣の鉄塔は場所を移動することになるので、団地の鉄塔はそのままで送電線を張り替えるだけである。

「工事行程」の表を見ると、送電線鉄塔に、No.12、No.13、No.14と番号がふってある。

No.12の鉄塔は、今回移動する鉄塔からさらに北西に伸びて県道をはさんで麗澤大学の敷地にあるものである。

No13は、現在住宅地にある鉄塔で、撤去されて、農地に新設されるもので、今回の中心工事である。

No.14がわが団地の鉄塔で、計画では12月から来年1月に、電線工事である。

いづれにしても、鉄塔の撤去、新設、送電線張り替えの工事が、近いところで行われるのである。

どんなふうにやっていくのか、めったに見ることができないものなので、楽しみにしよう。

 

 

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp

seiko-udoku.hatenadiary.jp