電化製品の量販店というのは、栄枯盛衰の厳しい世界らしい。
そういう店に行く機会があると、店内をフラフラしてしまう。
主に、音響や映像のコーナーである。
やっぱり、その辺が気になってしまうのだ。
私は、音楽好きなので、若い頃は秋葉原に行ってフラフラしていた。
商品がそろっていて、安いところは、秋葉原しか無かった。
夏休みのバイトで臨時収入があると、カセットデッキを買ったりしていた。
何号店とかいって、秋葉原だけでいくつもの店舗があった。
就職した頃は、「コジマ電気」が店舗を増やしていた。
その次には、「ヤマダデンキ」が業績を上げ、業界1位になったらしい。
私の住む千葉県北西部では、「ケーズデンキ」の存在感が大きい。
おもしろいのは、これらの会社が、北関東発祥であるということだ。
コジマ電気は、群馬県前橋市高崎市、ヤマダデンキが栃木県宇都宮市、ケーズデンキは茨城県水戸市である。
この3社を、「北関東YKK」というらしい。
なんで北関東発なのだろう、不思議である。
しかし、このうちのコジマ電気は、「ビックカメラ」の子会社になってしまっている。
私の近所には、「石丸電気」の店舗があったし、少し離れたところにもあったのだが、エディオンに吸収合併されたようであり、店名が変わっている。
私の行動範囲内では、「ノジマ」と「ジョーシン」が増えているようである。
ここ何年か、音楽の世界では、「ハイレゾ」という言葉が聞かれる。
世界的には、ネットによる音楽配信が主流になり、CDが売れるのは日本ぐらいらしい。
ハイレゾは、音源自体をCDよりもはるかに高音質であることを、売り物にしている。
Walkmanの公式ミュージックストアだという「MORA」という音楽配信サイトを見てみた。
ハイレゾ音源は、CDの6.5倍の情報量である、となっている。
CDとはサンプリング周波数や量子化ビット数が違うのだと、いうことらしい。
私には、なんのことかよくわからない。
どうも、CDのサンプリング周波数は、44.1khzで、量子化ビット数が16ビットである。
それが、ハイレゾだと、それぞれ192kHzから384khzもあって、24ビットということになり、その数字が大きくなるほどデータ量は大きくなる。
たしか、私が使っているMP3のファイルは、圧縮してあるので、CDの10分の1くらいの容量のはずである。
CDの容量は、740MBだったと思うので、その6.5倍ということで、単純に考えるとMP3の65倍もの容量になることになる。
音源のレベルが高ければ、それを再生する装置も、それまでよりはるかに高いレベルが求められる。
でも、私自身は、そういうものにこだわろうというきもちはない。
私が熱心に音楽を聴いていた学生の頃、「オープンリール」というものがあって、音にこだわるマニアックな人はそういうものを使っていた。
「カセットテープ」がケースに入っているのに対して、「オープン」というもので、でっかくてアナログなプロ仕様のテープレコーダーだった。
「高嶺の花」だったけど。
私は、高校時代のラジカセから、やっとカセットデッキに買い替えて、満足していた。
音を聞いているのじゃなく、音楽を聴いているのだ、と自分では思っていた。
究極の音にこだわるか、想像力をはたらかすか、そこが分かれ目なんだろうな。