晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

北千葉導水路

北千葉導水路といっても、知らない人の方が多いと思う。

北千葉導水路は、利根川と江戸川を結ぶ流状調整河川という水路である。

全長28.5kmであり、そのうち22.2kmは地下水路である。なんと、直径3.2mの埋設管が2本埋まっている。手賀川手賀沼部分は、サイクリングコースが並行しているので、私にとってはとても身近な存在だ。所々に、空気弁室という施設がある。こじんまりした施設の上が板張りになっていてベンチがある。階段で登れて休憩スポットである。

1974年に着工し2000年に完成した。

目的は、次の三点である。

  1. 手賀川及び坂川の内水排除
  2. 江戸川の都市用水の確保
  3. 手賀沼等の水質浄化

簡単に言うと、手賀沼手賀川や坂川が洪水にならないように排水する。

江戸川が水不足にならないように、利根川から江戸川に水を送る。

手賀沼の水質が改善されるように利根川の水を注入する。

そのために、利根川から手賀沼を通って坂川まで、二本の地下水路が作られている。

利根川と手賀川の合流地点(印西市木下と我孫子市布佐の境界付近)を起点として、第一機場があり、そこから西へ、手賀川と手賀沼に沿って地下水路が延びている。

手賀沼西部の柏市戸張に第二機場があり、一部の水が手賀沼に流されている。

さらに、地下水路は西に延びて、流山市で地表に出て坂川として流れ、松戸市の坂川放水路にある第三機場から江戸川へと注ぐ。

 

1の内水排除については、それなりの効果が出ているようである。手賀川、坂川の洪水を軽減することができている。

2の江戸川への送水は、実績としてほとんどないようである。

3の手賀沼の水質浄化については、水質悪化の根本的原因を解決することなく、利根川の水を注入してるだけで、水質浄化にはつながってない。手賀沼に流れ込む川は、大堀川と大津川をはじめとして、その他にも小さな川がいくつもある。その水質がどうなっているかが重要である。流れ込む前に、改善しないといけないのではないだろうか。

それができていないので、汚濁した水が手賀川から利根川に流れて行くことになり、利根川下流の水質を悪化させている。

利根川河口での、シジミやウナギの激減などにつながっているのではとの問題も提起されている。

 

第二機場には、「北千葉導水路ビジターセンター」が、併設されており、利根川水系について展示がされている。私も何度か見ている。

利根川の洪水と改修の歴史についての展示が大きな部分を占めていた記憶がある。

そういえば、利根川と江戸川の分岐点である野田市関宿に、千葉県の施設である関宿城博物館がある。ここの展示も、利根川の洪水と改修の歴史が大部分を占めていたと思う。

 

先日、鎌ヶ谷市立図書館で明治時代の地図を見たときに、中川が旧利根川と表示されていた。

江戸幕府が、江戸の町を洪水から守るために、利根川を銚子方向に流れるようにしたことは有名な話である。たしかに、江戸は洪水が少なくなったと思うが、東に流れるようになった利根川は大変なことになっていた。洪水を少なくするために、蛇行している流れを真っ直ぐにしたり、河川敷を広くして高い土手を作ったりした。

古い地図と今の地図を比べて見たことがある。

村があったところが、川になってたりする。この村は、どこへ行ったんだ?

大変な努力と犠牲の結果として、今の状況があるのだと思う。川が大きくなればなるほど、増水に備えて広い河川敷と堤防としての高い土手が必要になる。場所によっては、堤防を二重に築いている。
結局、川に関しては、どこかがプラスになれば、どこかはマイナスになるのかもしれない。

洪水を防ぐためにダムを作ったら、洪水はなくなったけど、普段の流量が少なくなって、いろんなところに弊害がでてる、というのを聞いたことがある。

ありすぎても困るし、少なすぎても困る。

日本は、降水量に恵まれ、川も大小さまざまに流れている。

水を治めるものが、国を治められると言ってもいいのかもしれない。

 

 

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