140年前の地図と現在の地図が、一つの画面で表示できるタイムマシンのようなサイトがあるので紹介したい。
むかしどうだったのか知りたい場所がある、
興味のある場所だったり、今住んでいるところだったり。
空想を働かせていろいろと考えるのが好きである。
そういう人だったら、きっと楽しめると思う。
農研機構農業環境変動研究センターの「歴史的農業環境閲覧システム」というサイトです。
なぜ、農業関係のサイトにむかしの地図があるのかというと、明治初期の土地利用の状況が詳細に表示されているからだと思います。水田、畑、茶畑、樹木については木の種類まで漢字と、彩色して表示されています。
その明治初期の地図が、日本陸軍によって作成された「迅速測図地図」です。「フランス式彩色地図」という手書きで描かれた絵画的要素を持つ地図です。
関東地方について、二万分の1縮尺で921枚が作成されて、すべて保存されていました。日本地図センターから復刻出版され、今でも購入することができます。私も、自分が住んでる近くだけでも買おうかなと思いました。でも、このサイトを見ているうちに、これで充分かなと思うようになりました。
歴史的農業環境閲覧システム(https://hads.dc.affrc.go.jo)というサイトを開くと、次の画面になります。
タイトルの右にスケッチがあります。「迅速測図地図」の欄外には、このような風景や建物などのスケッチが描かれています。もともとが、日本陸軍が軍事的必要から作成した地図なので、目標物になるものを描いたものと思われます。
このサイトは、地図を扱っているので、画面の大きさ、データ量の多さから、スマホではなくPCでの利用をおすすめします。
左側の地図に、自分が調べたいところがあれば使えます。残念ながら、関東地方全域ではありません。
右下に、「過去と現在の地図を比較をしたい場合は、比較地図をご覧下さい。」とあるので、比較地図をクリックします。
比較地図の画面になり、右側が国土地理院の現在の地図になります。
二つの地図は連動してるので、ズーム、移動が自由自在です。
とりあえず、上野あたりを見てみます。
鉄道はまだ走ってないので、もちろん上野駅もない。不忍池が今よりかなり広い。
後に上野駅になるあたりは、「草」の表示で緑に彩色されている。これは、何の跡地なんだろう。四角になっているような。(後で調べたら、陸軍の練兵場跡だったらしい。)
次は、新宿です。
なんか、農村的な雰囲気です。江戸時代から、まだ10年くらいしか経ってないんだな。
国道も鉄道もないと、なんか別世界だ。
次は、千住あたりに行ってみる。妻の母が住んでいた。今は、隅田川と荒川に挟まれている。
古い地図だと、蛇行してる細い荒川しかない。下流へ行くと隅田川と名前が変わっている。
ところが、現在の地図だと、旧荒川と並行するように巨大な新しい荒川ができている。旧荒川は、上流も隅田川の表示になっている。
新しい荒川は、まったく普通に村や町があった所に、突然大きな川になってる。どうしたら、こんなことができるんだろうか。驚きである。
最後に、私の地元の柏である。
左上に、手賀沼がグーっと延びている。今は、JRの線路があるあたりまで手賀沼だ。
手賀沼は、干拓によってかつての五分の一の広さになってしまったらしい。
5倍の広さの手賀沼を、地図では見ることができる。
ためしに、利根川を、銚子までくだってみた。
タイムスリップしたみたいで、おもしろい。
自分の興味のあるところへ、行ってみるとおもしろいと思う。
私にとっては、宝物のようなサイトです。