「ひや飯食い」ということばがある。
辞書によると、他人の家に寄食する人又は冷遇されている人、となっている。
冷や飯を食わされている、というニュアンスで使われている。
私は、たぶんことば本来の意味で「ひや飯食い」である。
自分の意思で、冷や飯を食べる人である。
あつあつのご飯と、つめたいごはんがあったら、つめたいご飯を選ぶ人なのだ。
つめたいごはんが好きというよりは、あつあつが苦手なのだ。
だから、あつあつでない方がいい。
熱い食べ物や飲み物はさまして、食べたり飲んだりすることが多い。
無理すれば食べれないことはないが、選べればそっちを選ぶ。
世の中には、つめたいものは食べたくない人が多いと思う。
私の場合は、熱いものも食べられるが、熱くないもののほうが好きということで、対応する範囲が広いということだと思う。
人間も動物なので、体温よりもうんと熱いものが、体にいいわけがない。
野生の動物は、煮炊きするわけじゃないし。
自然界の温度、常温でいいんじゃないかな。
せいぜい、体温、ひとはだってことかな。
どうして、熱い食べ物が苦手になったのかわからない。
寒い所で育ったので、寒さは平気だけど暑さには弱い。
でも、これは食べ物は関係ないし。
子どもの頃、あまりあつあつのものを食べなかったってことはあるかも知れない。
日本では、あつあつがごちそうというふうになってるようだ。
でも、おにぎりとかお弁当は冷たくても食べれるように作ってある。
たいていの人は、そのまま食べる。
おにぎりやお弁当を電子レンジであっためたりすると、変ににおって気持ち悪くなったりする。
日本は、生の魚や肉を食べる習慣もあるので、出来るだけ食材そのもの旨さを生かそうとする食文化がある。
そういう意味では、温かい食べ物から、つめたい食べ物まで受け入れることができる。
お酒についても、日本酒などはいろんな飲み方をする。
冷酒、ぬる燗、そして熱燗。ひとはだというのもあった。
私は、それくらいしか浮かんで来なかった。
でも、ちょっと調べたらすごいことになった。
5℃:雪冷え 10℃:花冷え 15℃:涼冷え
30℃:日向燗 35℃:人肌燗 40℃:ぬる燗
45℃:上燗 50℃:熱燗 55℃:飛び切り燗
15℃〜25℃が常温ということらしい。
ふだんは、常温でいいとして、他にもこんなに楽しめるんだなあ。
冷たい日本酒は、ついクイクイとすすんでしまう。
飲み過ぎて次の日がつらい、そんなことがよくあった。
燗酒は、酔い心地がいい。すぐに効くので飲み過ぎない。
燗酒が体にいいよ、って昔よく言われたような気がする。
ビールは、やっぱり冷たいほうがいい。
でも、ドイツやベルギーでは、特に冬にはホットビールが飲まれてるらしい。
これは、きっとまったくの別ものになりそうだ。
まだ飲んだことがない。
うんと、熱燗がいいらしく、香ばしくなる、とのこと。
一度、試してみないと。
最近、夕食を作るのに台所に立っていると、つい日本酒をちびちびやってしまう。
でも、食事中ビールは飲むことあるけど、日本酒は飲まない。
亡くなった母親が、やっぱり料理しながら台所でちょっと飲んでいた。
ふだんは、全然飲まない人なのに。
そういうところは、親に似てくるんだな。
でも、「キッチンドランカー」とか「キッチンドリンカー」というのは、ことばが嫌だなあ。
なんか、呑兵衛か呑んだくれみたいで。
もう少し、いい響きのことばはないのかな。