このブログの冒頭に、「趣味は、山、本、音楽、PC、その他。」と書いた。
これは、20代の頃からほとんど変わっていない。
まあ、その頃PCはまだ無かったので、代わりに「酒」が入るかもしれない。
そういうものに、小遣いのほとんどを使っていた。
最近は見かけることがないが、「独身貴族」ということばがあった。
扶養家族がなくて、自分の趣味にいくらでもお金を使える若者のことを、言ってたような気がする。
「貴族」というほど上等なものではなかったが、好きなようにできるという点では、たしかにそれに近かったかもしれない。
「独身貴族」という言葉を、調べてみた。
「コトバンク」の「精選版 日本国語大辞典」では、次のようになっている。
「金銭や時間にゆとりがある独身者を羨んで、家族持ちの側からいった語。」
なるほど、と思った。
金銭面しか考えてなかったけど、時間面もあるんだな。
「家族持ちの側から」ってところが、ミソだな。
だから、貴族とは言っても、時期限定の身分だったのだ。
そのうちに、扶養家族が増えて、住宅ローンを背負い、「貴族」から転落し、下層の庶民である。
なんか、そんなゲームもあったなあ。
山、本、音楽、酒。
それに、毎月多大な出費をしていた。
山仲間たちと、春夏秋冬に山行を計画して、出かけていた。
宿泊は、山小屋で食事はほとんど自炊だから、そんなに贅沢なものではない。
夏山は、短パンにサンダルで、重い登山靴はぶら下げて、履き替えたりしていた。
冬山は、アイゼンにピッケルやら防寒具やら、準備が大変だった。
山小屋で、2泊とか3泊した後は、温泉で打ち上げというパターンだった。
だいたい、4人ぐらいのメンバーだったが、旅館やホテルでの飲み代が、1人分の宿泊料くらいになっていた。
自分の部屋の四面が、本棚で占められていた。
それだけ、本を買っていたということだが、言いかえれば読む時間もあったということだ。
最初に買った全集は、「宮澤賢治全集」だった。
これは、冊数も多く、ページ数も多かった。
「タイム」の写真の多い自然百科の日本語版も買っていたし、文学全集も買ったはずだ。
戦後文学のもので、「僕らの文学」とかいう40巻くらいのセットだったな。
今でも、文学全集とか個人全集は刊行されているのだろうか。
電子書籍もある時代だから、あんな場所と大金を要するものの出番は、ないかな。
漫画も好きで読んでたが、気にいると全部揃えたくなってしまう。
「あしたのジョー」「俺は鉄平」「カムイ外伝」「がんばれ元気」「三丁目の夕日」「三国志」、、、
こうやってみると、何か傾向があるような。
今手元にあるのは、「菅江真澄全集」くらいだ。
音楽は、もっぱら「エアチェック」だった。
FM放送を録音して、さらに不要部分を削除編集して、保存用カセットテープにしていた。
だから、カセットデッキは、編集が可能なWカセットデッキを使っていた。
ほんとに気に入ったものは、レコードを買っていて、再生できるプレーヤーも持ってはいた。
ジャンルにこだわらず、なんでも気に入ったものは聴いていたので、カセットテープが何百本もたまってしまっていた。
そういうことが好きだったので、その後のPCの時代にもスムーズに対応できたのだろう。
出かける時は、メディアプレーヤーというものが必要だったが、最近は使っていない。
スマホで、済ませられる。
スマホ最強である。
酒については、山仲間が飲み仲間でもあった。
私が住む千葉県西北部には、JR常磐線が南西から北東に走っている。
その常磐線の各駅停車に地下鉄千代田線が乗り入れているので、通称「千代田線」と呼ばれている。
この各駅停車の、松戸から我孫子の間の各駅が、飲み仲間の行動範囲だった。
月に何回かは、この各駅停車の駅の界隈を飲み歩いていた。
私はビール派だが、ホッピーもお気に入り入りだった。
ホッピーはどの店にもあるわけではなかったが、今はどうだろう。
酎ハイの仲間で、言ってみればアルコール度の高いビールだ。
何軒か呑んで、夜の散歩をし、それぞれの部屋に泊まり込んだりしていた。
今は年齢相応で、静かで健康的なものである。
