車を運転して、ラジオをぼーっと聞いていた。
音楽を聴いてることが多く、ラジオはあまりかけない。
そしたら、「アレサ・フランクリン」という名前が聴こえた。
アレサ・フランクリンを知った高校生の頃、彼女はリズム・アンド・ブルースの女王と言われていた。
そのうちに、リズム・アンド・ブルースは、ソウル・ミュージックと言われるようになった。
たぶん、同じものだと思う。
彼女は、2年前に亡くなっている。
話題は、1972年のライブアルバム「アメイジング・グレイス」についてのものだった。
この音楽アルバムは、世界で300万枚のヒットになっていた。
記録映画も、翌年に公開されるはずだったのだが、公開できなかった。
その理由が、映像と音響を一致させることができなかったからだったという。
ほんとに、そんなことがあるのか、と思う。
この頃はまだビデオの時代ではないらしく、映像と音響は別に記録していた。
映画なら、カチンコがあって、これで映像と音響のスタートを一致させる。
ところが、このコンサートは、教会で行われたものでそんなものはない。
どうしても、ピッタリと一致させることができなかった、ということらしい。
よっぽど、そういうことに厳しい方が担当していたのだろう。
それが、ようやくデジタルの力で可能になって、映画を公開できるようになった。
5月28日から全国順次ロードショー公開ということで、番組で紹介していた。
映画のカチンコは、いろんなところで目にしていた。
単に、これから始まるよ、という合図だと思っていた。
そんな、理由があるとは思わなかった。
考えてみたら、映画は、映像と音響は別なんだよね。
やろうと思えば、映像と音響を同時に記録できるだろうけど、それだと余計な音が入ってしまう。
今でも、アフレコで、後からセリフを入れてるって、聴いたことがあるような気がする。
テレビドラマではないかもしれないけれど、劇場映画ではありそうな気がする。
小学校、中学校の頃、毎年学校で、映画上映会をやっていた。
体育館の窓に暗幕を張って、舞台にはスクリーンを下げる。
中央後部に机を置いて、映写機を設置する。
映写用のフィルムを何巻かあって、途中で交換していた。
一巻でどれくらいの時間だったろうな。
映写用フィルムを見たことがある。
フィルムにはもちろん映像が目でも見えるように収録されている。
その映像の脇に、音響用トラックという模様みたいなのがあった。
「オプティカル・サウンド」というやつで、音を光学的な信号に変換して記録・再生する方式のことをいうらしい。
映画の映像と音響は、同じフィルムに記録されて再生されるということなんだ。
それで、映画のサウンド・トラックなんだ。
なるほどね。
ということは、無声映画からトーキーになった時点で、その技術ができていたんだ。
光学的に、映像と音響をひとつのフィルムに記録して再生する。
ビデオカメラは、磁気的に変換してるんだろうが、実用化はもっとあとになる。
まあ、今はデジタルの時代になってしまってる。
人間は、いろんなすごいことを考えて、作って来たんだな。