私と妻にとっては、初孫でもある孫娘が5歳になった。
この5年間は、長かったようでもあり、短かったようにも思える。
まあるい顔をして、ころころした赤ちゃんだった。
今は、ほっそりしてすっかり女の子らしい。
私は、姉2人の末っ子だった。
妻は、弟2人の長女として育っている。
そして我が家は、男の子3人の兄弟を育ててきた。
ずっと男の中で暮らしてきた妻にとっては、長男の奥さんと孫娘は、ちょっと特別かもしれない。
うれしそうである。
誕生日のプレゼントを、持って家族で行った。
本人は、ピンクのドレスを着ていた。
来週、両親の友人の結婚式に呼ばれていて、それ用のドレスらしい。
最近は、お姫様っぽいのが好きである。
プリキュアとか言っても、私にはよくわからない。
ちょっと前まで、メルちゃんという人形に夢中だったけど、今はお休み中だ。
赤ちゃんの時は、男の子も女の子もあんぱんマンから始まるらしい。
コキンちゃんに夢中だったけど、いつのまにか卒業していた。
どんどん、成長していくのだ。
まだ、1歳になったばっかりでハイハイしていた頃、私の郷里の秋田に行くことになった。
私の母を、1番上の姉さんに会わせに連れて行こうと、計画した。
母は米寿目前で、姉さんはとっくに90歳を越えている。
長男一家も一緒に行くことになって、親子4代3泊4日の車2台の旅行になった。
泊まりは、秋田の大湯温泉、湯瀬温泉で、帰りに三陸海岸に寄った。
とりあえず、楽しく旅行して無事に帰った。
帰ってきて、2ヶ月ほどで、母は体調を崩して入院し、翌年に亡くなった。
思いつきの計画だったけど、行こうと思った時に行って良かったな、と思った。
この旅行から帰ったあと、孫娘は保育園に通い始めた。
仕事に復帰したママと、毎朝一緒に出掛けて、ママの退勤で帰ってくる。
1日の長い時間を、保育園で過ごしている。
成長するはずである。
なんでも、お話しできる。
歌やダンスが好きで、いつも歌って踊っている。
最近は、ちょっと恥ずかしがり屋になっている。
これも、成長したしるしなのだろう。
私は、5歳の頃何をしていたのだろう、と考えてみた。
私の育った村では、小学校入学前の1年間だけ、保育園に通っていた。
正確には、保育園だけどみんな「幼稚園」と呼んでいた。
同じ集落の保育園児だけで、山道を歩いて登園していた。
男の子4人で、いつもいっしょだった。
保育園に入る前は、どうしていたのだろう。
母は外に仕事に出かけることもあったので、出かける前に同じ村にあった父の実家に預けた、というのを母から聞いた記憶がある。
父方のおじいちゃんは、隠居していた。
孫たちの子守りをしていたのだと、思う。
いつも、にこにこしているおじいちゃんを覚えている。
母が畑仕事に行く時は、いっしょについて行ってた。
孫娘は、あいうえおが読めるし、漢字をかなり読める。
ひとりで、絵本を読んだりしている。
私たちの頃は、いつ頃読めるようになっていたのだろう。
小学校入学あたりで、やっとあいうえおかな。
本を読めるのは、すごいことだと思う。
自分の頭の中で、物語を再現できるということだ。
子どもにとっては、本の中のお話と現実の自分の生活の境界はあいまいで、つながってるようなものだ。
それが、子どもにとっては大事な世界なのだと思う。