外を歩いていると、空が気になる。
青空が見えるような天気だと、雲がおもしろい。
雲って、こんなにいろんなものがあったのかと、驚かされる。
私は、雲の他に、緑の森や林なども興味の対象である。
写真でも撮っておこうとすると、邪魔なものがある。
電柱と電線である。
ふだんは、あまり感じないことだが、いざ写真を撮ろうとすると、こんなにもいっぱいどこにでもあるものなのか、と思ってしまう。
電柱は、道路沿いにどこにでもある。
そして、電線は電柱と電柱を繋ぎ、さらに住宅とを繋いでいる。
まあ、生活感があると言えば、そのとおりだが、自然だけの風景を撮りたいのも確かである。
先日、墓参りに行ってきた。
彼岸はまだだが、当日だとこみ合って大変なことになるので、だいたい前もって行く。
いつものように、白井市にある松戸市営の霊園と、船橋市の馬込沢にある船橋市営の霊園である。
松戸市営白井聖地公園は、面積8万9000平方メートルで、昭和63年に開園してるが、松戸市内で土地が確保できなかったらしく、かなり離れた白井市に建設している。
船橋市の霊園の方が、昭和26年開園で歴史も古く、面積も28万平方メートルと広大なものである。
墓参りをしていて気がついた。
霊園には、電柱も電線もない。
夜間は立ち入ることがないので、照明もそんなにない。
そのかわり、墓石はたくさんある。
これは、空の写真が取り放題である。
人間の身体中を、血管がめぐっている。
電線もまた、日本中の道路に沿って、血管のように、そして毛細血管のように隅々まで網羅している。
巨大な送電線が、心臓に繋がる動脈や静脈になるんだろか。
その空白地帯が、霊園だったということなのかな。
人間の住んでないところは、狭い日本だけどけっこうありそうだから、意外に空白地帯は広いのかも。
朝早くには、空一面にあった雲が陽が登ると、青空になっていたりする。
そういえば、山の頂上などで朝早いと、雲海が見られる。
一面が、雲の海である。
しかし、太陽が登るとその雲の海はほとんど消えてしまう。
それらの雲は、山よりも低いところにある雲なのだ。
地上から空を見ていると、みな同じ雲だけど、雲のある高度によってかなり違ってるようだ。
地上から低いところにある雲は、よく見てると流れがとても早く、いつのまにか消えてしまったりする。
高いところにある雲は、流れて行くのがわからないくらいに、ゆっくりだ。
人の手では描けないような、繊細な模様もある。
入道雲は、低いところから高いところへと、立ち上がるように延びていって、人の想像を超えたような造形を見せる。
真っ青なキャンバスに描かれた雲は、見ていて飽きない。