カーオーディオが不調である。
不調どころではなく、ほとんど音が出なくなってしまった。
純正のカーナビに内蔵のオーディオシステムなので、10年以上になる。
最初は、CDを読み込まなくなった。
そのうちに、右チャネルから音が出なくなって、ついに左も出なくなった。
テレビも内蔵しているが、音が蚊の鳴くような音がかすか聞こえるくらいで、使い物にならない。
カーナビは使えるのでとりあえずは問題はないが、音声ガイドはよく聞こえない。
10年前は最新だったので、Bluetoothに対応している。
ところがスマホの機種を変えたら、Bluetoothのバージョンが上がっていて、スマホを認識しなくなった。
AUX端子もあるので、アナログのオーディオコードで接続することもできる。
しかし、いちいちコードをつなぐのは面倒である。
なので、もっぱらCDを読み込ませて、内蔵のSDカードにため込んでいた。
それを聴くことができなくなった。
カーナビの機種を変えるべきか思案していたが、とりあえず音楽が聴きたい。
そこで思いついたのが、スマホでそのまま音楽を鳴らすことだ。
サイクリングやウォーキングで出かけるときは、最近はもっぱらスマホにイヤホンで音楽を聴いている。
スマホは、イヤホンなしでも、本体から音声が出る。
ためしにやってみたら、ほとんど高音しか出ないが、なんとか聞ける程度の音は出る。
まるで昔のトランジスターラジオで、聞いてるみたいだ。
スマホは密閉された構造になっているので、ラジオみたいにこれがスピーカーです、というところがない。
どうも、本体全体から音が出ていて、hdtm端子の穴に手を近づけると音の振動を感じる。
イヤホンを使っていると、音楽が頭の中へ入り込む気がする。
車内にスマホを適当に置いて鳴らしていると、音楽がまわりの風景の一部になってるようだ。
永年コレクションしてきたものを、PCのハードディスクからスマホにコピーしてある。
スマホの音楽フォルダには、いくつかのお気に入りを入れてある。
そのうちの「Favorite」というフォルダには、好きなアーティストのベスト盤を入れてあるのだが、なんと、75枚分もあった。
それを眺めていると、その3分の2くらいは、1960年代から70年代のもので、せいぜい1980年代以降のものが少しあるかな、という感じだ。
これをみていると、いかに自分が高校や大学のころに、一生懸命に音楽を聴いていたかがわかる。
日本でもよく知られいる歌手やバンドもあるが、中にはあまり知られていないものもある。
懐かしい名前を見つけた。
「ClassicsⅣ」というグループである。
日本ではヒット曲はなかったと思われるフォークロックのバンドだった。
ギターを始めていた私が、音楽雑誌付属の楽譜で見つけた「トレイシス」という曲が記憶に残っている。
ギターのための楽譜は、なかなか手に入れられないて貴重だったのだ。
このころの曲を、今聴いてもそんなに違和感はない。
むしろ、新鮮に聴く事ができる。
ロックが、とても輝いていたとも思えるけれど、そうでもないかもしれない。
私の音楽に対する感性が、この頃の音楽でできているだけかもしれない。
その感性は、そこで完成してしまって、その後変わっていないだけ、とも言える。
電車バス通勤を長くやっていたので、ウォークマンのようなものは必需品だった。
Norah Jones は、バス通勤仲間の同僚に教えてもらった。
一度聞かせてもらって、すぐに気に入った。
彼女のことを調べていて、驚いた。
ラビ・シャンカールの娘さんだった。
ラビ・シャンカールは、インドに傾倒していたジョージ・ハリスンのシタールの先生だった。
アメリカに渡って、ネイティブ・アメリカンの女性と結婚したらしい。
Red Hot Chilipeppers は、長男がバンドをやってた高校生ころに教えてもらった。
音楽フォルダの中には、他にも膨大なボリュームのフォルダがある。
いずれも、ネットで見つけたものだがどんなサイトだったかよく覚えてない。
ひとつがヨーロッパもの、もうひとつがアメリカものである。
Top2000 というのは、オランダの放送局のプログラムらしい。
新世紀を記念して、クリスマスのころに特別プログラムを企画したものだ。
リスナーの投票で選定された2000曲を一週間かけて放送するらしい。
2000曲って、一週間で放送できるものだろうか。
私の手元にあるのが、何年度放送のものかわからないが、英語ものが多いがヨーロッパだけに、フランス語やドイツ語のものも混じる。
変化があっておもしろい。
1位は、Queen の Bohemian Rapsody だった。
2位以下も、知ってるアーチストが並ぶ。
こんなのを、日本でやったらどうなるのだろう。
日本は、洋楽と邦楽があるけれど、今はその境界はなくなっているのかな。
今は、かつてのように洋楽の存在感がないような気もするけれど。
ヨーロッパの場合、自国の音楽と国外の音楽は、どんな感じなのだろう。
もう一つのアメリカのプログラムは、ロック雑誌の RollingStone が選定したものだ。
500 Greatest Songs Of All Time は、評論家などの音楽関係者の投票によるものらしく、2004年に発表されている。
その後、2010年と2021年に改訂版が出ている。
1位はBob Dylan の Like A Rolling Stone ,2位が Rolling Stones の Satisfaction と、RollingStone誌にぴったりの曲である。
知ってるアーチストが続くけれど、ヨーロッパとはちょっと違う。
英語以外の言語の曲は、ほとんどない。
Top2000で1位だった Queen の Bohemian Rapsodyは、163位となっている。
一時間ずっと聞いていても、せいぜい十数曲なので、当分は楽しめる。
しかも、次はどんな曲になるかわからないので、そんな楽しみもある。